訓練だから仕方がない?

運転士のころはよく助役など上司とケンカしました。
もちろん手を出したりはしませんし、きちんと理由があってのケンカです。
そんな中から今日はこんな話を。

まさかに備えて訓練は必要です

鉄道は多くの人命を預かって運んでいるので、当然ですが安全が第一です。その安全を確保するために訓練は欠かせません。
また日ごろは機械化のためにあまり操作することのない機器類も、異常時には手動扱いで操作することがありますので、それに備えての訓練も行う必要があります。
信号関係で多い訓練はてこ扱いと言って、普段は自動で集中制御を行っている信号機や転轍機(ポイント)を各駅の信号所から操作するものがあるのですが、てこ扱いでも転轍機の操作ができない場合には手回しと言って、転轍機にハンドルを差し込んで手動で動かすことがあります。

終端駅で転轍機手回し訓練が行われていました。駅の信号士や助役らが転轍機の横に大勢立っています。
駅へ入場する際にも手回し訓練が行われていましたが、転換に手間取り場内信号待ちとなったせいで2分ほど遅れて到着。
出発の時はさらに手間取ったようで3分以上遅れて出発しました。

交代となる駅に到着した私はすぐに指導担当助役の元へ行ったのですが、先に向こうから謝ってきました。

「悪いなぁ、3分30秒ほど遅れたなあ。」
「訓練はしなきゃいけないけど、でもひどすぎるでしょ?」
「でもなあ、訓練だから遅れることは仕方ないだろ?」
「訓練だから遅れても良いのですか?」
「だって手順通りにやれば絶対に遅れるのだから」
「遅れるって最初から分かっててやってるのですか?」
「そうだよ、訓練だから仕方ないのだから」
「それならばお客さんが納得するように、訓練のために列車が遅れることを助役の方で告知してください」
「それは車掌の仕事だろ!」

のような感じで延々と口論が続いたのでした。

 

訓練だから遅れるのは仕方がない

異常時に備えて訓練を行う必要性はもちろん分かっています。
でも遅れることを承知の上で訓練するのっておかしくないですか?
そもそもお客さんのことを考えた上での訓練立案になっていませんし、訓練のために到着や出発が遅れることを承知の上で乗車している人なんていませんよ。乗務している運転士や車掌だって遅れるだなんて聞かされていませんし。
さらに出発の間隔が短い場合には2分以下のダイヤになっていましたから、とてもじゃないですけど手回しをしていれば遅れることは確実です。出発の間隔が開く早朝や深夜に訓練をすれば遅れずに済むのに、暗い中での訓練は危ないからできないって平気な顔して言っていましたからね。

訓練だから仕方がないという考え方は、私は今もまだ疑問に思っているのです。

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