駅員や乗務員が忘れ物を見つけて駅へ届け出ます。
最初に見つけた駅員や乗務員もさっとですが中身を確認します。
だって危ない物が入っていたら大変なことになりますからね。
届け出られた駅では中身をすべて出して、何が入っているのかを正確に記録していきます。
私が駅長所在駅の駅長室での勤務の時に届け出られた忘れ物のうち、印象に残っている物(事)をいくつか列挙していきます。
車内に忘れられていたと車掌が持ってきた小さなかわいらしいポーチ。
見るからに若い女性の持ち物だなと思ったのですが、その中身は大量のコンドーム。
この量を使い切るにはいったいどのくらいの日数が必要なんだ?と思うほど大量に入っていましたよ。
このポーチに関しては駅へ取りに来ることもなく忘れ物承りセンターへ送りましたので、どんな人が忘れていったのかは分かりませんでした。
駅のベンチに忘れてあったと女性のお客さんが持ってきたショルダーバッグ。
その方は中を見ることなく駅へ持ってきたのですが、どのようなものが入っているのかを持ってきてくれたお客さんと一緒に確認するのが基本です。
だって落とし主が判明しない場合には拾得者はもらえる権利を持つことになるし、落とし主が分かった場合でも拾得者は5~20%の報奨を請求できますからね。
その時は私は横に立っていて様子を見ていたのですが、助役がショルダーバッグを開けるとその中には様々な大人のおもちゃが。
拾ってきたお客さんも、ショルダーバッグを開けた助役も、横でその様子を見ていた私もみんなが固まってしまいましたよ。
さすがに拾って来たお客さんは権利放棄をして駅長室を出ていきました。
お客さんが帰ってからの駅長室内は一変し、みんなでそのおもちゃを手にとってはワーワーキャーキャー。
そこにそのショルダーバッグの落とし主が現れて、あわててショルダーバッグに押し込んだのは言うまでもありません。
ちなみに落とし主はきちっとスーツを着たサラリーマン風の方でした。
車内に忘れられていたあまり大きくないセカンドバッグを車掌が持ってきました。
私がそのセカンドバッグを開けて中を確認したところ、財布やメモ帳とともに何やら粉状で小さな袋に入った薬っぽいものが出てきました。
何にも知らない私はその小さな袋を助役に見せて
「これって何かの薬ですか?」
そこから駅長室内は騒然となって警察はやってくるし、私も警察署へ行って事情聴取を受ける羽目になるし大変でした。
ほかには骨壺や入れ歯の忘れ物もあったし、杖もありました。
杖がなくても歩けるってことですよね。
ゴルフクラブがいっぱい入ったゴルフバッグなんてのもありました。