昔超ベテランの車掌の一部には、乗務中に小説を読んでいる人が複数いました。
休憩中に読めばいいのですが、休憩中には本を読むことはなかったように記憶しています。
車掌だったころ、離合する列車の車掌に向かって敬礼をするというのが習わしとしてありました。
車内巡回で客室に入っていれば仕方がないのですが、乗務員室内で横の壁にもたれかかるようにして微動だにせず。
そういった車掌が夜間になると遮光幕を下ろして運転台に座り、乗務員室灯を点けて小説を真剣に読んでいました。
離合列車の乗務員室を見ると黄色い裸電球がボワーっと点いていて、運転台のシートに座り込んで小説を読んでいる様子をよく見ることができました。
この記事を読んで、昔はこういう車掌がいっぱいいたなぁって思いだしました。
こういう車掌と乗り組んでいると、駅到着時にドアを開けるタイミングがメチャ遅かったり、到着駅の放送をドアを開けてからしたりとホントにメチャクチャでしたよ。
でもあの当時って乗務中の車掌が小説を読んでいるなんて苦情があったという話を聞いたことがありませんし、そういう車掌さんたちが上司などに注意されて乗務中の読書を止めたなんて聞いたこともありません。
遮光幕を下ろして隠れるように読書をしたとしても、ちょっとのぞき込めば客室のお客さんからは丸見えのはずだったのですけどね。
ついでに書くと、昔の運転士の中には新聞を読みながら電車を運転していた人もいましたよ。
ちょっと小さめに新聞を折って足の上に置き、ほとんど前方注視なんてせずに新聞を読みふけっていました。
車掌の読書は夜間が多かったのですが、運転士が新聞を読んでいたのは早朝が多かったです。
早朝も遮光幕を下ろしていますから。
車掌時代に早朝の優等列車で車内巡回に行くものの呼び止められることもなく、先頭車まで来たので運転士と少ししゃべろうかと乗務員室に入ったときも、いつもと変わらず新聞を読んでいました。
「昨夜阪神サヨナラ勝ちしたんやなぁ。もう負けると思って途中で寝たのに」
こんな話をごくふつうに乗務員室でしていましたよ。
さすがに今のご時世では乗務中の読書を許してもらえるはずもなく、きつい処分が待っているでしょうね。
ちなみに私は乗務中に小説も新聞も読んだことはありません(笑)