昔からたまにある車体への落書き。
車庫内へ侵入してまで落書きする人もいるようですが、大半は駅に留置中にスプレーなどで落書きするものです。
基本的には落書きされている車両は運用から外して別の編成に差し替えが行われるのですが、別の編成の手配に時間がかかるとか、とりあえずは車庫のある駅までは運用しようということもあるので、落書きされた車両がしばらくは走行するということもあります。
ラッカーなどのスプレーで落書きされたものを落とすには、シンナーなど有機溶剤を使用するしか方法がありません(たぶん)
落書きされたものはキレイに落とせるのですが、車体の塗布されたペイントも多少は落ちますし、何よりボディが傷むのですよね。
それに車両の工場などでは車体に塗装する工程ももちろんあるのですが、車庫(検収庫)には大規模な塗装設備がありません。
なので車両課の人が有機溶剤のニオイに耐えながら、刷毛や雑巾などを使って手作業で落としていくわけですよ。
迷惑という言葉以外見つからないほど迷惑なんですよ。
私は一度だけスプレーで車体が落書きされた車両を運転したことがあります。
その編成は駅で一晩留置されていて、朝一番列車から使用されていたものです。
車両への落書きはホームの側からではなく線路上へ降りてされていたようで、早朝のまだ陽が昇っていない時間帯では発見が難しかったようでした。
しばらく走行しているうちに明るくなり、離合列車から運転指令への報告で落書きが発覚したのですが、もう朝の通勤通学ラッシュにかかっている時間帯だったので車両の振り替えが難しく、また落書きだけで走行自体には影響がないということから朝のラッシュが終わるまでそのまま走行したのでした。
当然ですが引き継ぎで落書きされていることは知らされて運転していましたが、お客さんに擦ればそんな事は知りません。
なので数駅走行するたびに
「2両目の側面にペンキで落書きされてますよ」
と申し出てくださるお客さんが多数いました。
もちろん私は知ってはいるのですが
「そうですか、ご報告ありがとうございます」
と返答するしかないですよね。
でも落書きされている内容によっては、とにかくすぐに消したり隠したりしていました。
差別的な内容だったり卑猥な内容などの場合ですね。
駅員に協力してもらってシンナーで消したり、間に合いそうになければガムテープを貼って落書きが見えないようにして走行することもありました。
でもその落書きがバンクシーのものだと分かったら、急に態度が変わっちゃうのでしょうね(笑)