ネットニュースで運転士の最後の乗務の際に、到着した駅で乗務員によるセレモニーを行った件で事務方が警告を発している、そんな話題がありました。
【JR東日本】運転士最終乗務の出迎えに会社がブチ切れ 「言語道断で到底看過できない、徹底的に調査し厳正に処分する」
運転士の最終乗務に「労いのクラッカー」? JR東が社員の行為を注意…一体何が?水戸支社に聞く
記事それぞれで書き方のニュアンスが相当違いますが、会社としては会社の施設である車両への貼り紙は絶対に許されないことや、コロナ禍においてホーム上に社員が集まったこと、ホーム上でクラッカーが使われたことになどに対する警告が出されたようです。
私が勤務していた会社ではホーム上で何かを行うということはなく、後日仲の良い人たちで集まって祝宴を行う程度でした。
私も最後の乗務のあとの助役の研修が一通り終わって落ち着いたころに、10人ほどが祝宴を開いてくれました。
しかし私が勤務していた会社でも、最終乗務を祝うセレモニー的なことを一部の乗務員が行うようになっていきました。
撮り鉄な乗務員が有給休暇を取って、乗務の最終日の運転の様子をあちこちから写真を撮ったり。
最後にはホーム上で花束贈呈など、張り紙やクラッカーを鳴らすようなことはありませんでしたが、ホーム上に少なくはない人数が集まってはいましたね。
かなり昔のことですが、JR大阪駅で最終乗務を終えて新快速の乗務員室から出てきた運転士に花束を渡し、ホーム上には横断幕を掲げた10数人が集まっている様子を目撃したことがあるのですが、正直なところ異様な光景だなと私は思いました。
ホーム上を一部の人間が占領する行為ですし、ホントに邪魔だとしか思えませんでしたし。
運転しているほうにすれば、これで乗務の仕事から離れると思うと感慨深いものはたしかにあります。
そしてホーム上で後輩たちに祝ってもらえれば確かにうれしいかもしれません。
でもホームって職場でもあるけども、旅客が列車への乗降のために使用する公共的な場所でもあります。
そんな場所を社員が占領して最終乗務を祝うというのは、さすがにちょっと違うような気がしますけど。
いくら指定席を確保していたとしても、車両の窓に張り紙を張るなんて行為は許されるはずありません。
ましてホーム上でクラッカーだなんて、新幹線の駅の中には旅客に対してクラッカーの使用を禁止と書かれた掲示も過去にはあったし(今でもあるのかな??)
そりゃあ会社側も黙認できるはずもなく、当該乗務員の事情聴取と処分は避けて通れないでしょう。
なんだかね、撮り鉄がどんどんエスカレートしていくのと同じような気がするんです。
勝手にやっちゃいけないラインを下げていき、周りもその下がったラインをもとに行動する。
いったん下がりだしたラインを止めることもできず、昔と比べれば相当下がっていることにも気づかない。
最終乗務のセレモニーに関して言えば、やっている人たちってやっぱりマニア系の乗務員が多くて、自分たちでラインを勝手に下げているのにラインは守っていると言い張るような・・・
ただ最終乗務はやっぱり家族に祝ってもらうものですよ。
運転士本人も大変だったけども、家族はそれを支えてきたわけだし。
運転士の職を退くとき、奥様方はホッとすると言いますからね。
家族でワイワイ言いながらとか、しみじみと昔の思い出話で一杯飲むのが一番合っていると思います。