マスコミなどの報道でご存じの方も多いと思いますが、新岩国始発の「こだま838」が運転士と車掌からアルコールを検知したということで新岩国~広島間を運休しました。
運転士も車掌も飲酒を否定しており、のちの調査では検知器近くにアルコール消毒液があった場合、飲酒していない人が息を吹き付けても反応することが分かっています。
乗務員のアルコールチェックの必要性は当然ありますし、乗務前のチェックで引っ掛かれば乗務させないというのも当然の措置でした。
また新型コロナ禍においてはアルコール消毒液を持ち歩いたり、人が集まるような箇所などにはアルコール消毒液を設置するのも当然です。
またアルコールを検知する機器なのですから、アルコール消毒液を検知してしまう可能性は当然ありうること。
偶然が重なってしまい、言ってみれば濡れ衣を着せられた運転士や車掌は本当に気の毒だと思います。
アルコール検知器に関してはこれまでにも書いてきたように、様々なものに反応します。
チョコパイを食べた車掌が検知器で引っ掛かって乗務できなかったこともあります。
チョコパイには微量の洋酒が含まれていますが、子供でも食べるものですからこれで乗務できなくなるというのはちょっとおかしいかなと。
私自身が経験したものとしては、ガムや飴で反応したこともあるし、一度はフリスクで警報音を鳴らしたこともあります。
そのくせ明らかに酒臭い人の息では反応しないこともあったしで、あまりあてにならないのかなと個人的には思っています。
それ以上に、乗務員のアルコールチェックで列車を運休しなければいけない体制がおかしいと思うのですよ。
新岩国駅で前夜から泊まって担当する予定だったそうですが、これがもし乗務員の体調がすぐれなかったらやはり運休しちゃうのですかね?
乗務区には予備勤務の乗務員がいて、体調不良等急を要する場合の補充要員が必ずいます。
本区以外での泊まり(区外泊)の場合は、私が勤務していた会社でも予備勤務者はいませんでした。
ただし基本的に乗務員は2組(運転士と車掌それぞれ2人ずつ)が泊まるようになっており。1組目は始発担当、2組目は始発から1時間以上あとの列車を担当するようになっており、もし体調不良等があれば急遽乗務する列車を差し替えて、遅いほうの列車には予備勤務者を乗務区から派遣して乗務させるなどしていました。
また乗務員が泊まるような駅の場合には運転資格を持った駅員や助役などがいたので、予備勤務者と交代できる駅まで担当するということも行っていました。
言ってみれば鉄道会社側の都合で部分運休とか遅延を起こすことは、やはりやっちゃいけないことだと思うのですよね。
今回の山陽新幹線では部分運休と遅延を招きました。
列車のダイヤや乗務員の運用の見直しなど、もう少し緊急時に即応できる体制を作っておくべきじゃないのかなと個人的に思いました。