運転時計(懐中時計)にまつわる話

先日ネットニュースで、運転士が一時的に懐中時計を紛失していたために、列車の出発が13分遅れたというものを見ました。

2022年5月22日の出来事ですが、出発前になって時計が無いことを運転士が気付き、ひょっとしたら休憩室に落としたかもと思い探したが見つからなかった。

ところが落ちていたと旅客が落し物センターに届けてくれていたことが分かり、受け取って運転をしたという話です。

あまりホームなどで時計を落として紛失したという話は聞いたことはありませんが、ポケットに入れていた時計が休憩所で座っている時にこぼれ出て、気付かずに乗務交代に向かったという事例は相当ありました。

ズボンの前ポケットに時計を入れていると、休憩所の椅子に座っている時に落ちやすいのです。

 

ちなみに私がいた会社で時計が無いことに気付いた運転士は、例えば交代する場合は前任者に時計を借りて運転することが多かったです。

出庫などの場合で時計が無いことに気付いたときは、車庫構内のトークバックで連絡して、出庫した時に乗務区が持っている予備の時計を持ってきてもらえるように手配していました。

もちろん列車無線を使っても良いとは思いますが、時計を忘れたことがあちこちに知れ渡るのはちょっとねえ。

 

ちなみに乗務区には予備の時計が10個はあったかなあ。

運転士が忘れた時用ではなく、本来は電池切れになって使えなくなった時に備えて置いていました。

一応は10年は電池は持つらしいのですが、7~8年すると電池切れになる時計も多かったですね。

電池切れになった時計は会社に提出して、月に1回まとめて業者に出して電池交換や修理をしてもらっていました。

 

不注意で運転時計を落下させることは多かったです。

運転台に時計を置く時に、運転時計のひもが引っかかって落下しちゃうケースが多かったかな。

時計のガラスが割れてしまうこともありましたが、こういう場合も会社に提出して修理してもらっていました。

一番難儀したのが、落下した衝撃で文字盤が時計の中で回転してしまい、正確な時間が判別しにくくなったことかな。

それも列車の振動で少しずつ文字盤が回転し、途中でスタフと時間が全く合わなくなってくるんです。

時計の針は11時15分の位置にあってスタフと合っているハズだけど、文字盤が回転しちゃって10時12分にしか見えなくなっちゃうのです。

時計を振って文字盤を正規の位置に戻すのだけど、列車の振動ですぐにズレちゃうんです。

 

私がいた会社ではセイコーの鉄道時計が使用されており、一般的にこの時計は懐中時計と呼ばれていましたが、社内では運転時計と呼ばれていました。

この運転時計は会社からの貸与品でして、だから電池交換も会社が負担するのですが、貸与されて10年経過すると新しい運転時計が貸与され、10年間使用した運転時計は払い下げされて私物となります。

※払い下げなのでタダではくれません。数百円取られていました

うちには使いもしないセイコーの鉄道時計が4つもあります。

全部止まったままだけど、中を掃除してもらって電池交換したら使えるかな。

使い道は私にはないけど・・・

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