3月10日、JR東日本・常磐線の土浦発品川行き(土浦16時10分発)が土浦の電留線から電車を出すのが遅れて21分遅れで出発し、上野~品川間での運転を取りやめた。
NHKの報道によると電留線を16時に出ることになっていたが、運転士が時間を勘違いしていたらしい。
今回の件は車庫ではなく電留線ですが、扱いとしては似ているのかな。
休憩所などがある乗務区の建物が車庫や電留線の近くでなければ、何らかの方法で赴く必要があります。
車庫や電留線へ入る列車または車両があれば、駅から便乗して行くこともできます。
なければ歩いていくことになりますし、かなり距離が離れておれば乗務区と車庫や電留線との間でワゴン車による輸送を行っている乗務区もあります。
ちなみに私が所属していた乗務区は、休憩所のある建物から車庫までの距離が比較的近いので歩いていました。
電留線と呼ばれる施設はありませんでしたが、引き上げ線に留置されている車両を担当することがあり、この場合も駅から歩いて向かっていました。
だいたいどこの会社でも同じような扱いだと思いますが、通常は車庫や電留線への車両の出入りについては車掌を省略することが多いですね。
駅構内の入換運転で列車ではなく車両の移動となるので、車掌の乗務が必要ではなくなるためです。
私がいた乗務区では原則的に車庫への出入庫や引き上げ線への留置についても、運転士と車掌は同一行動を行うことになっていました。
他社に倣って出入庫時の車掌の省略が打ち出されたことが何度もあったのですが、そのたびに撤回されて車掌も運転士とともに出入庫を行うことに。
今はさすがに省略しているかもしれませんが。
乗務区などから車庫や電留線へ向かう時間も指定されていることが多いと思いますが、土浦での件ではひょっとすると電留線を出発する時間を乗務区を出る時間と勘違いしたのかなと思ったり、運転士が時間自体を完全に勘違いしていたのかもと思ってみたり、真相は分からないですが。
運転士が一人で車庫や電留線へ向かうとなると時間の管理も運転士一人で行う必要が出てきますので、勘違いも許されない状況になります。
でも私がいた乗務区では運転士と車掌の二人で車庫へ行くことになっていたので、運転士が時間を勘違いしていても車掌がそれを是正してくれることもあって、それそれで助かることもありました。
車掌に出庫に行く時間ですと言われて、あれ?こんなに早くいかなきゃいけなかった?なんて思いながらスタフなり行路表なりを確認して、自分が勘違いしていたことに気付くわけです。
逆の場合ももちろんありますけどね。
たまに運転士と車掌そろって時間を勘違いしていたとか、二人そろって休憩所で寝てしまっていたということもあります。
すると今回のように出庫が遅れることで駅を出発するのも遅れ、途中の駅で予備の乗務員と交代させられて日勤教育という流れになってしまいます。
ちなみに私がいた乗務区では昔は、出庫時間の情報を乗務員には開示していませんでした。
乗務区から車庫へ向かう時間も決められてはいませんでした。
かなりいい加減で、出庫した電車が駅を出発する時間の〇分前に休憩所を出て車庫へ向かうという感じ。
例えば7時25分に上り列車として出発する出庫車両は、6時53分に乗務区を出ましょう。
7時32分に下り列車として出発する出庫車両だと、本来は7時ちょうどでいいけど、出庫してから乗務場所を替わらなければいけないからもう少し早めに乗務区を出よう。
そんな感じでした。
それこそ車掌と運転士で
「何分ごろに車庫へ行きますか?」
なんて話をして決めていましたから。
本当にアバウトな鉄道でした、私がいた乗務区は。