大阪メトロで赤信号を越えて止まる事象が
2月13日18時ごろ、大阪メトロ御堂筋線で駅間の停止信号機をおよそ20メートル行き過ぎて停止するという事象がありました。
心斎橋からなんばへ向かっていた列車で、時速70キロで走行中にY(黄)現示の信号を見落とし、ATCによって40キロまで自動的に速度が落とされ、次のR(赤)現示の信号も20mほど越えて停止した。
大阪メトロはR信号が重複するように現示されるらしく、一つ目のRを越えても直ちに先行列車にぶつかるようなことはないようです。
この画像は大阪メトロからお借りしたもので、このようにR現示が重複しています。
2020年10月にも御堂筋線の西中島南方~新大阪間でも同様にR現示を越えて停車した事象があったらしく、運転士がまったくブレーキ操作をしない場合には、1つ目のR現示を超えるようになっているのかな?
あくまで私が運転していた路線の話ですが、R現示の手前には25キロと15キロのチェックがあって、特に15キロのチェックは速度オーバーしていたら非常制動(電磁直通車は全制動)がかかり、R信号を越えない位置で止まるようになっていました。
信号機の建植間隔が短い個所でR現示が重複する箇所もありましたが、その場合は1つ手前の信号はYY(黄黄)の警戒現示で25キロ、その内方に15キロのチェックがあって1つ目のR信号も越えないように制動保安距離が設けられていたのですが、考え方が違うのかなあ…
ATCやらATSは各社局でかなり違う部分が多く、私自身がハンドルを握った路線しか分かりませんので、大阪メトロの仕様でも安全が保たれているのならば問題はないです。
私の感覚で、赤信号を越えて停車するというのがちょっと気持ち悪いなあと思うので…
無閉塞運転
私がいた会社では無閉塞運転と呼んでいましたが、閉塞指示運転と呼ぶ会社もあるそうです。
これ簡単に言うと閉塞信号機がR(赤)現示の時に、その信号を越えて運転することを言います。
無閉塞運転については以前にも書いていますので、そちらをご覧いただければと思いますが
閉塞信号機がR(赤)なのにその信号機を超えて運転する無閉塞運転
軌道回路の故障で信号がR(赤)から変わらないときなどに用いられる運転で、R信号の手前で1分以上停車した後に15キロ以下で進行するものです。
今は運転指令の許可がなければ無閉塞運転は行わないと思いますが、昔は運転士の判断でどんどん入ってきていましたから、まあ危ないことを平気でやっていましたね。
車掌のころ朝ラッシュの時間帯に後ろを向くと、後続列車の運転士がニタニタしているのがはっきり分かるほど接近していましたからね。
実は赤信号でも自動的にブレーキがかからないことが…
私がいた会社ではR現示の手前(内方)には15キロと25キロのチェックがあったことは先ほども書きました。
15キロのチェックを15キロ以下で進行を続け、ブレーキもかけずにR現示の信号を超えるとブレーキがかかります。
15キロで非常制動がかかれば10mほどで止まりますが、信号無視という重大な運転事故になりますので、運転士の職場にはいられなくなるでしょうね。
ただ速度がもっと遅い5キロ以下でR信号を超えた場合、私がいた会社のATSではカバーすることができず、どんどん転がって行ってしまいます。
ただし15キロのチェックを越えて以降に5キロ以下に速度が低下するとノッチを入れることはできませんし、下り勾配で速度が5キロを超えた瞬間に非常制動が入ります。
下り勾配で軽くブレーキをかけて5キロ以下をキープしておれば、R現示を越えてもどんどん転がしていくことはできます。
なので会社からの指導としては15キロチェックの場所で停車してくれ、でした。