以前このブログに書いた「踏切と遮断機と防犯カメラ」という記事は、踏切における自動車などの交通の流れをカメラで撮影し、その様子を運転指令のモニターで監視しているという話です。
交通量の多い踏切にしぼってカメラを設置して監視しています。
会社によって考え方が違うと思うのですが、数日分から1か月くらいは映像を保存しているようです。
これとは別に各踏切に監視カメラを設置することが多くなっています。
踏切障害物検知装置(以下 障検と略します)が動作した場合や、踏切の非常ボタンが押された場合にその状況を撮影して残しておくというものです。
自動車に搭載されるドライブレコーダーと同じで、障検の動作や非常ボタン押下の前後の様子が録画されて残るようで、最長でだいたい前後1時間程度の長さになるといいます。
これって遮断桿(遮断棒・アーム)が折られる様子までは撮影されていないのです。
同時に障検が動作すれば折られる瞬間も撮影されることになりますが、現状では先に書いた「踏切と遮断機と防犯カメラ」の記事の方のカメラだけで捉えられているという感じです。
私が運転士をしていたころ数か所の踏切で試験的に監視カメラが導入されていましたが、最初のうちは思うように画像を残すことができなかったようです。
いたずらで踏切の非常ボタンが押され、私が担当していた列車はその踏切の手前で緊急停止。
とりあえず列車から降りて踏切の様子を見に行きます。
周囲には誰もいないし、踏切内にも特に異常がないことから非常ボタンをリセットして運転再開。
その踏切でたまたま監視カメラの試験が行われていたのです。
踏切にセットしてある監視カメラから、記録メディアを抜き取り乗務区へ持ち帰ってきた助役。
パソコンでチェックしてみたのですが、人物らしきものは映っているのですが全く判別できない状態。
発生時刻が20時ごろで周囲は暗い場所だったこともあって、まともに映っていなかったという言い訳を聞きました。
その後改良がくわえられて十分役に立つ状態になったそうですが、これとは別に踏切内に人が残っている様子をAIとカメラを使って判断し、特殊信号発行機と連動させて列車を停止させる装置も実用化されそうです。
これまで障検はあくまで踏切を通過する自動車を対象にした装置でした。
人が大量に踏切内に残っておれば障検も動作していましたが、人が1人だけ踏切内に残っているときに検知する装置はありませんでした。
AIを活用することで踏切を渡り切れずに取り残された人を感知する、そんな装置になるそうです。
今は大容量の記録メディアも安価に入手できるようになりましたし、カメラの性能も相当上がっています。
今後踏切には様々なカメラが設置されていくかもしれないですね。
あまりにも監視の度合いがひどくなるのは怖さを感じますけど・・・