私が勤務していたころ、勤務先の会社では無人駅はありませんでした。
ただ一部の駅では早朝や深夜には駅員がいなかったり、2つ以上改札口がある場合には1つの改札は必ず有人だけど、残りの改札は無人としているケースが少なからずありました。
そして昔は場内・出発信号機が設置されている駅、ポイントが設置されている駅については助役以上の役職者を必ず配置していました。
ヒラの駅員では扱えない仕事があったからです。
場内・出発信号機は信号所から手動で信号現示(赤とか黄とか青とか)を換えることができるのですが、ヒラにはその資格が与えられていなかったためです。
またポイントの故障の場合、ひどいケースではハンドルを差して手で回して転換させるのですが、これらの取り扱いについても助役以上しか教えられていなかったのです。
※私はなぜか入社してすぐの頃にポイント手回しの訓練を行ったことがありますが
しかし助役の配置駅を絞り込んで減らしたことがあり、一部の駅では場内・出発信号機やポイントも設置されているのにヒラの駅員のみが配置されている、そんな駅がありました。
すると不思議とそういった駅でポイントの不転換が起こったりするんですよ。
※ポイント不転換=何らかの原因でポイントが切り替わらなくなり、それに伴って信号機もR(赤)から変わらなくなる
私が担当していた列車が駅に接近すると閉塞信号機はY(黄)で場内信号機はR(赤)
駅構内に車両は1本も止まっておらず、とりあえず列車無線を使って運転指令に報告
「えーーーポイント不転換のようです・・・係員を派遣しますのでしばらくお待ちください」
すると軌道内をポイント手回し用のハンドルを持った助役が、停車している私の列車を追い越すように走っていきました。
隣の助役配置駅から走ってやってきたようです。
結局はポイントを手回しするようなことはなく、無事にポイントが転換されて信号機も現示されて入場したのです。
どのような原因でポイントが換わらなくなったのかは聞きませんでしたが。
最近はかなりのケースで遠隔操作により復旧させることができるようで、場内・出発信号機やポイントの有無にかかわらず無人駅としていることが多いですよね。
でもポイントに何か異物が挟まってポイントが不転換となった場合は遠隔では操作のしようがないはず。
たまにありますよね、ポイントに亀が挟まって転換できなくなっていたとか。
無人駅が延々と続く路線もかなり増えてきているようですけど、このような場合は近くの有人駅から車で現場に駆け付ける以外に方法はないですよね。
人件費を削って何とか路線を維持している状態ですから、故障など異常なことが起きてもそれは仕方がないと割り切って運営しているということでしょうね。
このブログでも触れた車いすの問題ですけど、結局はそういったことも含めて職員数をギリギリまで減らさないと運営がしんどい、そんな状態に追いやられている気がします。
今までは収支の良い路線が収支の悪い路線を支えて何とかやってきたけど、もうその手法も限界が見えてきた気もしますし。
廃線をさせずに路線を維持するため、収支が均衡となるくらいまでの運賃上昇を認めるか。
駅員を配置するための費用をさらに運賃に上乗せすることを認めるか。
もちろん国や自治体による補助も必要ですけど、それらの補助を入れたところで現行運賃が跳ね上がるのは避けられません。
運賃を上げたことでいっそうの乗客離れを引き起こし、結局は廃線する道へ。
無人駅の増加でポイントや信号機故障の対応はどうなっていくのか
当分の間は故障は仕方がないとあきらめる、列車の遅れや運休も仕方がない。
それでも維持できなくなる日が近付いており、いずれはローカル線がどんどん消えていく・・・