JR東海が投入する新型の通勤電車(315系)の冷房はAIが制御するようですね。
JR東海が5月18日にプレス発表したのですが
冷房機能の向上・冷房能力を約3割向上(211系比)します。
AIによる自動学習・制御最適化機能を国内で初めて導入します。315系全車両の温度・湿度・乗車率等の車上データを地上のサーバへ送信し、サーバ内のAIにより最適化した冷房制御を実現します。
冷房装置の動作状態を車両から車両基地等へ常時送信し、 故障の予兆段階で迅速なメンテナンスを行うことで、未然に故障を防止します。
空調に関してここまでやるんだなぁと、本当に感心しましたよ。
私が勤務していた会社の車両は、古い車両で冷房化改造された初期のものは「弱冷」「強冷」と2段階の切り替えができたのですが、その後は徐々に「冷房」のスイッチのみになっていきました。
設定温度は本社の指示に従って車両課のほうでいじるだけで、車掌はまったく手が出せない。
ただ冷房を入れるか切るかの2択だったのです。
乗務中に「暑い!もっと冷房を利かせろ!」と怒鳴られたり、これ見よがしにブランケットを肩からかぶって寒いポーズを見せられたりもしましたし。
同じ列車内で暑いと感じる方と寒いと感じる方が同時に居られるのも珍しくないことで、車掌としてはどうしようもないというのが本音でした。
私はあまり冷房が好きではないので、ぬるいくらいがちょうど良いのですけどね。
でも電車の冷房って温度を下げるのももちろん重要だけど、除湿機能がもっと向上するほうが良いんじゃないのかなって思っていました。
湿気をいかに低下させるかで快適さの度合いが変わってくると思いますからね。
昔の車両で冷房化改造された車両の中には、エアコンのコンプレッサーの短絡スイッチが乗務員室内に配置されていた車両があったんですよ。
「コンプレッサー短絡」と銘板に書いてありましたけど、実際はサーモスタットを短絡させるスイッチでしょうね。
この短絡スイッチを投入すると冷房が稼働しっぱなしに。
年配の運転士と乗り組むと必ず
「おい!エアコンずっと回し続けてくれ」
って注文がよくきました。
乗務員室のエアコンの吹き出し口からはどんどん冷気がでてきて、妻面の真ん中のガラスが寒さで曇るほどでした。
乗務員室だけではなく当然客室も信じられないほど寒くなっていましたが、クレームってやっぱり来ていたのかな。。。
両先頭車以外は通常通りだったから、車内の温度差は相当激しかったですし。
どんどんAI化も進んでいくでしょうし、車掌が操作しなきゃならない作業ってどんどん減っていくのでしょう。
というよりも、車掌の乗務する列車自体が無くなっていくかもしれませんが。