2021年6月9日に横浜市内のゴルフ場で、木の伐採を行っていた高所作業車が高圧線に接触する事故が発生。
救助のため高圧線を停電させたために横浜線では運転できなくなり、一時全線で運休となったそうです、
電車は電気が無ければ動かすことは不可能です。
JR東日本は一部で自家発電も行ってはいますが、さすがに全路線の電気をまかなう事なんてできませんから、東京電力や東北電力などから電気の供給を受けなければ列車の運行はできません。
今回は横浜線という電化路線だったから、そりゃ電気で動く電車は動かない・・・と思うわけですが、これ実は電化されていない路線であっても電気が無ければ運行はできないのです。
信号機や踏切にATSなど、今の鉄道は電気が無ければたとえディーゼルカーだったとしても運行できません。
駅の設備だってそうで、無人駅であったとしてもSuicaやICOCAの読み取り用に機械が置いてあるわけで、これだって電気が無ければ使用できませんから。
もちろんバックアップ用の電源は用意されているでしょうけど、それだって2~3時間くらいしかもたないんじゃないのかなと。
信号機を使用せずに代用閉塞方式(通信式、指導通信式、指導式など)や閉塞準用法(特殊隔時法、特殊指導隔時法など)ならば運転自体は可能ですけど、踏切の問題がありますしね。
私も一度だけ駅周辺の電気系統が電圧降下を起こした影響で、始発駅を出発してすぐに停車する事態を経験したことがありますが、信号機は無現示だったし、ATSは電気がないということで非常ブレーキが入ったままになるし、電圧降下を起こした地区に運転指令があったものだから、こちらが列車無線で呼びかけたところで何の反応もできないしで、本当に何もできないまま電車に閉じ込められたことがあります。
電車に積まれている列車無線はバッテリーで動くので使えましたが、運転指令のほうが機能しませんでした。
今は運転指令をはじめ信号機や踏切にもバッテリーが備わっているとは思うけど、どうなっているのやら・・・
安定的に鉄道を運行することを考えれば、JRをはじめ大手私鉄などは本当は発電所を備えるほうが良いのでしょうね。
もっとも戦前は多くの私鉄で電力供給事業を行っており、自社の電車の走行だけではなく沿線の会社や一般住戸向けに電気を供給できるほど各社で発電していましたから。
戦時中の配電統制令によって統合される形で電力供給事業から撤退しましたけども。
関東の私鉄での事情は私は知りませんが・・・
関西では配電統制令によって電力供給事業は現在の関西電力などに引き継がれたわけですが、各私鉄と関西電力との関係は統合時のいきさつによって現在でもいろいろとあるんですよ。
関西電力と一線を引いて対応する私鉄と、親子関係のように仲が良い私鉄と。
また機会があればその辺りのことを書いていこうかなと・・・