私が勤務していた会社の車両の前照灯のスイッチは、今はすべての車両で
切→点灯(弱・LOW)→点灯(強・HIGH)の順に一つのスイッチで切り替えるようになっています。
※形式によってスイッチの形状は違います。
この前照灯の切り替えスイッチが故障してしまい、
切→点灯(HIGH)
しか動作しなくなったことが複数回あります。
わりと新しいタイプの前照灯スイッチでよく起こったのですが、点灯(LOW)の部分の接触が悪いというか、なぜかLOWのところでスイッチが止まらなくなるんです。
私は今のように日中に前照灯を点灯させて運転したことはありませんので、点灯させるのは夕方以降と早朝の暗い時間帯、あとはトンネル内の走行時だけだったわけですが、離合する列車が近付いてきたら、視界を確保するためにLOWに切り替えるわけです。
ある時いつものようにLOWに切り替えて運転していたら、離合の列車がパッシングしてくるのです。
だいたい異常がないのに走行中にパッシングをしてくるというのは
「まぶしいから前照灯を下げろ!」
って離合の列車の運転士が怒っているときです。
おかしいなぁと思ってスイッチを触ってみたら、その時はきちんとLOWの位置に止まっています。
でも前方をよく見てみたら、明らかに遠くまで照らしています。
スイッチをHIGHにしても照らす範囲は変わらず、またスイッチをLOWにしてみてもやっぱり照らす範囲は同じ。
故障ですね。
古い車両に取り付けられている前照灯スイッチは故障した経験がないのですが、比較的新しくてスイッチ自体が小さくて軽いものはよく壊れていました。
LOWに切り替えられないと離合列車の運転に支障が出ますので、すれ違う時には前照灯のスイッチを切っていました。
いちおうは列車無線で前照灯のスイッチが故障してLOWにならないと報告はしたのですが、すれ違う時だけスイッチを切って運転しますとは報告できなかったです。
だって夜間に前照灯を表示しないということは、列車としての要件を備えていないという重大な違反行為ですから・・・
もっと古い車両になると前照灯のスイッチは二つ並んでいて、一つは前照灯のONとOFFを行うもの。
もう一つのスイッチはLOWとHIGHを切り替えるスイッチ。
このスイッチもよく壊れたんですよ。
この画像は113系の前照灯のスイッチです。減光にすると抵抗を通して無理やり暗くさせる仕組みで、私が勤務していた会社の前照灯とは違いますが、スイッチの形状自体はよく似ていました。
私の場合はON・OFFのスイッチは壊れたことはありませんが、LOW・HIGHの切り替えスイッチは何度か壊れたことが。
この画像のモノより大きなトグルスイッチだったのですが、壊れてしまうと固まってしまってスイッチを動かすことができなくなるんです。
それもなぜだか私の場合はHIGH側に固定されてばかり。
私が何か悪いことをしたわけではなかったのですが、前照灯がHIGHの状態のまま離合してしまった運転士には一人ずつ謝って回ったりしたものです。