JR東日本がE7系を使って自動運転の試験を行っている様子を報道陣に公開し、各社一斉に報じています。
運転士は運転席にいたものの膝の上に手を置き、運転指令からの遠隔操作で運転された。
最高速度は110Kmほどに達し、停止位置へは新潟車両センターでは誤差8cm、新潟駅では20~30cmほどで止まったらしい。
回送列車での無人運転を考えているらしく、営業車では避難誘導の要員(乗務員)を乗せるとのことですから、新幹線も「運転士」の乗務は省略していく方向なのでしょう。
運転席に座る「保安要員」と客室での接客などを担当する「パーサー」、そして扉扱いなどを行う「車掌」という感じになるのかな。
とにかく「運転士」という職種は今後どんどん縮小されていき、近い将来には都市部の在来線や新幹線からは完全に消滅する勢いです。
たしかに通常の運転操作だけを考えれば機械任せでも十分できるわけで、あとは非常時の措置や事故・故障時の対応をどうするのかという点をクリアする必要はありますが、高架化や地下化など立体交差とホームドアの設置によって事故はかなり起きにくい環境にはなってきています。
故障に関してはひょっとすると遠隔操作で対応できるようになるのかな。
ただ車内での卑劣な犯罪に対応できる体制には程遠いわけで、そのあたりをどうクリアしていくのかという大きな宿題がありますが。
それでも鉄道における花形職種の「運転士」は絶滅危惧種的な扱いになっていきそうで、孫たちが大きくなった時に
「おじいちゃんはどんな仕事をしていたの?」
「電車の運転士をしていたよ」
「うんてんし?なにそれ?」
というような会話になってしまうのかななんて思うと、マジで寂しい気持ちになっていきますね。
※まだ孫はいませんけどね
今でも運転士になりたいという方は多くいらっしゃると思います。
ひょっとすると高校卒業後に鉄道会社へ就職することが決まっている方もいるかもしれません。
ただ現時点ですぐに「運転士」という職種が消えてなくなることはないでしょうし(会社によっては運転士と車掌を統合して同じ職名というケースもありますが)、いくらなんでも「運転士」が消滅するには10年以上はかかると思います。
なので「運転士」をしてみたいという人たちにとっては、今が最後のチャンスなのかも。
私は運転士を1988年3月から2014年3月までしましたが、しんどいとか、腹が立つとか、イライラするとか、今振り返って思うとあまりいい印象は残っていません。
実際に運転士時代は年に数回必ず帯状疱疹が顔に現れ、全身がとんでもないほどの疲労感に包まれることがあったのですが、運転士を辞めてからはそのような症状って一切出ていない。
ホントに神経も体力もすり減らして仕事をしていましたからね。
でもしんどいながらも「やりがい」のある仕事であったのは間違いなく、「運転士」になれるチャンスがあるのならばぜひ挑戦してほしいです。
そして「運転士」という職がなくなってからは
「昔運転士という職業に就いていたんだ」
って自慢してみてください。
孫たちには
「なにそれ?」
って言われるとは思いますけど(笑)