ツイッターを眺めていたら「乗務員トラブル」というワードが流れてきて、いったい何かと思ったら
東京メトロ丸ノ内線で乗務員トラブルによる影響で全線で運転抑止した、というものでした。
乗務員トラブルっていったい何だろうと思っていたら、運転士の体調不良を乗務員トラブルと言い換えていたようです。
お客様対応、信号確認、設備点検などなど、最近の鉄道会社はとにかく真実がすぐに伝わらないような言い方ばかりするのには困ったものです。
この件だってストレートに、担当中の乗務員が体調不良のために列車が遅れていますと素直に言ったってイイと思うけど、体調不良というワードを使うと会社側が非難されるかもしれない、っていうこうを恐れているのかな?
とにかく今はSNSなどですぐに真実が伝わるのだから、はじめから素直にアナウンスするほうが得策だと思うんだけど。
さてさて本題ですが、乗務員だって人間ですから急に体調が悪くなることも当然あります。
最も多いのは腹痛ですが、それ以外にも深刻な病気だってあり得ます。
急に発症した痛風発作で運転できなくなったとか、急に心臓が苦しくなって乗務員室内に倒れた車掌さんとか、私と同じ乗務区で発生していますから。
こういうことって乗務前にはそのような兆候が表れなことのほうが普通です。
乗務前に異変を感じておれば、担当助役に申し出て予備乗務員を充ててもらいます。
乗務中に体調不良に襲われた場合、所属する乗務区の予備乗務員を充当するわけですが、乗務区が遠く離れた場所の時はどうしても手配に時間がかかります。
私が勤務していた会社の話ですが、昔は駅勤務であっても動力車免許証を所持しているのならば、予備乗務員と交代できそうな駅まで駅係員(助役以上)に運転してもらうこともありましたが、今では駅の係員を乗務員の代わりに乗務させることはありません。
乗務区のあるC駅から便乗でA駅まで予備乗務員を派遣し、B駅の駅係員にA駅まで運転してもらい、体調不良の乗務員はB駅から病院へ直行ってこともできたのですが、今は予備乗務員をB駅まで便乗させ、その間は列車は抑止させることが多いです。
ツイッターを見ていると、多くの方が乗務員の体調不良を気遣うツイートが多く少しホッとしましたが中には
なんてツイートしている人もいますが、たしかに多くの利用者に迷惑がかかるのは事実だけど、先にも書いたように乗務前から体調不良が分かっておれば乗務はしません。
無理に乗務させるような規定があるわけないし。
代わりの乗務員ももちろんいるけど、これも先に書いたように各駅に予備乗務員がいるわけはなく、所属の乗務区から派遣して交代となります。
2~3駅ごとに予備乗務員を配置しておくなんてことは経費の面や効率の面から言って、どう考えたって非効率ですし。
この時間帯に利用していた方にすれば、予定通りに到着しないことで迷惑が掛かり怒る気持ちもわかります。
車内の旅客の体調不良で停止した時に運転していた私に、自分には関係がないから早く出発させろと言ってきた人も現実にいました。
気持ちはわからなくはないけど、誰も好き好んで体調不良になっているのではないし、怒ったところでどうにもならないのですけど。
もしも怒っている人が今後急病だったり事故にあって動けなくなった時、お前なんて関係ないから放っておくわ・・・なんて言われたらどうなんだろうって思うけど。
いろいろと思う一件でした。