JR九州はすでに普通回数券の発売を終了しており、JR東・東海・西・四は今年9月末で販売終了が発表され、JR北海道はどうするのかなと思っていましたが、今年11月30日をもって販売を終了することに。
ついにJR全社から普通回数券が消えることになりました。
(ただ乗り入れ先の鉄道会社の関係から、連絡回数券はしばらく残るようですが)
おそらく普通回数券をわざわざ購入するという面倒なことをするよりも、suicaやICOCAなどIC乗車券をかざすだけの方が便利だから最近は多くの人が利用していなかったのではないかな。
割引率を考えると回数券って本当にお得だったのですが、鉄道会社側にすると旨味が少ない商品ではありますからね。
私が会社に入った頃はまだ回数券は自動化されておらず11紙片が綴られたもので、私が勤務していた会社では駅員に駅名入り回転印を押してもらう、そんな古いスタイルでした。
この駅名入り回転印を押すのが入社直後の研修中は本当にイヤで、回数券の丸印の中に押すのですが、少しでもはみ出たり、少しでも印影が欠けたりなんかしたら師匠からボロカスに怒られて。
何度かはお客さんが師匠に対して、そんなに怒らなくても・・・なんて止めに入ったくらいですからね。
もちろんゆっくり押せば綺麗に押せるのですが、回数券を利用する旅客の数って今とは比べものにならないほど多かったし、11枚つづりの回数券で一度に4人が使うなんてシチュエーションも多かったので、ゆっくり日付印を押すひまなんてなかったのです。
※このブログの一番最初の記事がこの日付印に関するものでした→恐怖の日付印
suicaやICOCAなどIC乗車券は確かに便利ですよね。
自動改札にタッチすれば乗車できるのですから。
それにIC乗車券利用によるポイント還元もありますし、お得なように見えますからね。
鉄道会社にすれば、IC乗車券を利用してもらえれば様々なデータが蓄積されていきます。
どの区間をいつ乗車したのかにはじまって、どこのお店で何を購入したのか、性別や年齢などとともにどんどんデータが集まり、そのビッグデータを活用してさらにビジネスに活かすことができるのですから。
それに比べて回数券はそのようなデータが集まらないわりに、回数券自体の割引率がかなり大きくて鉄道会社としては本当に旨味が少ない商品ということになるのでしょう。
私が駅勤務の頃はすでに自動改札は設置されていましたが、まだ多くの乗車券類が自動化対応されていませんでした。
回数券はもとより、定期券だって国鉄発行の連絡定期券はまだ裏が白い普通の紙でしたからね。
紙の定期券が自動改札に入れられることはありませんでしたが、回数券はよく自動改札に投入されました。
ペラペラの裏が白い普通の紙の回数券だったので、グループで一緒に回数券を利用して下車駅で一斉に自動改札に投入されて、4~5台の自動改札が一斉に警報音を発するなんてことも珍しくなかったし。
私鉄でもこの先は回数券の廃止が続くでしょうね。
思い出がいろいろとある分さびしく感じます。