ドア関係のミスが立て続けに公表されたJR西日本。
北陸線での事象はドアを閉めたものと勘違いしてブレーキを緩め、ノッチを入れたものの起動しないから気付いたものだと思います。
下り勾配で6mほど転がったということでしょうか。
たしかにドアが開いたまま転がれば、列車からの転落という事故に直結するわけですから、良いわけはありません。
でもワンマンの場合この類のミスって起こりがちで、逆に停車しているのにドアを開け忘れているとか、ドアを開けたつもりになっていた、というミスもあります。
私が勤務していた乗務区でもワンマン線区で同様のことが起きていますが、JR西日本は基本的に乗務員や駅員のミスに関してはすべて公表する姿勢だからすべてが公になっているけど、全国的に見ると同じ類のミスは相当あると思います。
今回の北陸線でのミスは、過去に阪急甲陽線で起きたミスよりははるかに軽いのですが、時代の違いからかマスコミでの取り上げられ方がずいぶん違うようにも思います。
こちらは出発直後に電車に近付いてくる女性がいて、悲鳴も聞こえたのでドアで挟んで引きずっているかもと思って非常ブレーキスイッチを操作した。
ただ完全に止まりきる前にドアを開けてしまったために、ドアが開いた状態で1.5mほど進んだという事象。
この件は最初に読売新聞の記事で知ったのですが、見出しを読んだ段階では車掌がかなり大きなミスをしたのかと思うほど、いわゆるミスリードじゃないのと思わせるものでした。
JR阪和線で普通電車のドア開いた状態で1・5m走行、悲鳴聞き車掌が非常ブレーキ
まるでドアが開いたまま電車が出発し、その様子を見た人が悲鳴を上げて車掌が非常ブレーキを操作したみたいですよね。
開けるタイミング早かったというミスに違いはないけど、これは正直なところ難しい判断かな。
本当にドアに挟まれて引きずられていた場合、非常ブレーキで電車を止める前にドアを開けて挟まれている状態を開放する方が、場合によっては良い場合もあるように思えます。
完全に停止するまでの1.5m、この距離ならば引きずっても良いから完全に停止してからドアを扱うべきか、それとも早くドアから開放して引きずられる距離を少しでも短くすべきか。
どちらが良いのかは正直分かりませんし、会社としてはとにかく引きずるようなことがないように操業してくれとか、運転士も前方から乗降状態を見てくれということは言いますし、もしも引きずっておれば躊躇なく非常ブレーキを使って止めてくれとは言っています。
でもそれ以上のことを聞いたことはないから、ケースバイケースというか、運不運の問題というか。
最後に少し書いておきましょうか。
また老害が昔のことをほじくり出して迷惑な奴と思われるでしょうけど…。
昔かなり性格が難儀な運転士がおりまして、気に入らない車掌と乗組むとドアが開いた状態の時にブレーキをわざと緩めるのです。
勾配のある駅だと今回の北陸線のような状態になり転がっていきます。
早くドアを閉めろという車掌に対する嫌がらせなのですが、さすがにこれはお客さんを相当危険な目に合わせる許されない行為です。
何人かの車掌が乗務区でこの超危険なハラスメントを訴えるという事件がありました。
この運転士はすっとぼけていました、たまたまブレーキハンドルに手が当たっただけなんて。
結局は私が乗組んだ時に同じことをされて、列車無線で運転士が危険な行為をするので何とかしてほしいと入れたことで、ようやくその運転士は処分されたのですが、その運転士と仲の良かった乗務員たちから私は相当嫌われましたよ。
これ今ならば新聞に大きな記事で掲載されるのですけどね。
やっぱり時代の違いって大きいですよ。