ストライキを要求しても労働組合が阻止に動く現状
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ストライキを要求しても労働組合が阻止に動く現状

思うことなどなど

ストライキ。

もう60歳にもなった私ですが、本格的なストライキを経験はしていません。

入社当時(1981年)でもストライキを決行しても始発から数時間程度で解除することが通例となっていました。

数時間でもストライキに突入していた時代ももう過去のものになり、今ではストライキなんてしないのが当たり前となっています。

ストをしても理解されないことも一因としてありますが、それ以上に労働組合自体が問題となっているケースも少なくはないのです。

 

ストライキが当たり前だった時代

「企業と戦わなくなった労働者たち 現代における「ストライキ」の意義とは? 千歳相互観光バス終日運休に見る、権利意識の欠如」という記事が、先日(2023年5月6日)Merkmalにありました。

今の若い方はストライキと言ってもピンと来ないかもしれません。

賃上げや労働条件の向上の要求を会社側に認めさせる手段として、労働者が働くことを拒否するものです。

昭和40年代までは国鉄や私鉄は毎年のようにストライキを行い、丸1日電車が動かないということも珍しくはなく、教師が学校へ来れないために休校となったりもしました。

気象警報による休校とは違い、ストによる休校は外で普通に遊ぶことができるので、本当にうれしかったです。

電車が走らないことをいいことに、駅から駅まで線路内を歩いてみたりもしましたよ。

親は会社への足が無くなるために、前日から会社に泊まり込んだりしていましたが。

ちなみに私が鉄道会社にいた間にもストライキの設定はありましたが、スト突入後数時間で中止したり、ストに入る直前に中止指令が出たりという状態で、昭和50年代中ごろからはすでにストライキを決行してでも要求を通すという気概は、労働組合はすでに失っていた気もします。

 

 

労働組合の存在意義

ここ数年は賃上げ要求に関しては、ストライキを決行しなくても政府からの要求に企業が答える形で、賃上げが実施されるケースが多くなっています。

労働組合側の賃上げ要求に対して満額回答したり、企業によっては労働組合の要求額以上の賃上げを実施するケースもあります。

こうなってくると労働組合の存在意義が問われますよ。

だって労働組合が無くても政府の言いなりで給料が上がるのですから、労働組合に組合費を取られるのがばかばかしく感じられます。

平成に入ったころまではストは中止となるとしても、経営者側と労働組合側で100円玉の攻防なんて繰り広げられていたことも、今となっては昔話ですね。

 

私が某私鉄で運転士として在職中に、会社側がかなりの労働条件改悪を突き付けてきたことがあります。

私が入社する以前から積み上げてきたさまざまな労働条件を、一気に崩しにかかってきたのです。

それらの労働条件は、会社側が一日あたりの乗務量(距離や時間)を増やす代わりに、労働組合が手当などとして獲得してきた条件なのですが、一律で1日あたりの乗務量を20%増やし、さらにそれまでの労働条件をすべて白紙に戻すという提案があったのです。

昔の労働組合ならば24時間とか48時間のストライキ打って出て抵抗するような内容でしたが、この提案を受けた時の労働組合は、乗務員に対してすべて受け入れるようにと説得する側に回りました。

それに対して乗務員側は労働組合に対して、ストライキを行ってでも抵抗するように要請したのですが

「抵抗すれば皆さんが路頭に迷うことになりますよ」

「今反対すれば、会社側はさらなる合理化提案を強行しますよ」

などと、労働組合が乗務員に対して受け入れるようにさらに説得する状態に。

それに対して乗務員側は、今戦わずしていつ戦うのか。

今回この提案を簡単に受け入れたら、結局会社側はさらなる合理化案を提示しやすくなるだけではないのかと、労働組合に対して戦うことを選ぶように提案し続けました。

数日間にわたって乗務区で行われた乗務員VS労働組合のバトルは、結局労働組合側が押し切る形で終結し、乗務量の20%増加と各種手当類のカットなどの労働条件低下が実施される運びとなりました。

この時の労働条件低下を押し切る形で導入させた労働組合の幹部たちは、傍系会社の重役等で迎えられる形で大出世しました。

ちなみにその後も合理化は続き、当時の乗務員が危惧したことが現実のものとなったのです。

 

 

出世したいから労組の役員になる

よく御用組合なんて言われ方をするようになった労働組合ですが、実際に私が某私鉄で経験してきたうえで話をすると、御用組合というよりは「総務部 組合課」というほうがピッタリだった気がします。

駅や乗務区の助役まではよほどのことがない限りは、運転士までしておれば誰でもなれます。

ところが駅長や乗務区長といった職となると、乗務員時代に労働組合の職場委員になり、さらに乗務区(組合でいうところの乗務班)の班長、または労働組合専従で支部長職に就かなければ出世することはできません。

中には労働組合の経験なく駅長や乗務区長になる人もいますが、それは労組出身者で適任者を作るまでの間の〝つなぎ〟であり、1年ほどで他の部署に飛ばされてしまいます。

 

このような状態でしたから、労働組合が経営者側を相手にストライキを含めた闘争を行うなんてあり得るはずがありません。

賃金改定や労働条件向上といった大きな戦いでなくても、各職場単位での細かな要求だって通ることが本当に少ない。

職場の労組役員が戦う相手って乗務区長だったり駅長なのですが、その人たちは現職の労組役員にとっては労組内で班長など上位職に就いていた人たちですから、簡単にあしらわれるのが明白だし、そもそも現職の労組役員たちが狙っているポストでもあるから、要求をすることじたいをあきらめることが多いのです。

 

この辺りは経営者側が何枚も上手です。

労組出身者を中心に現場での主要ポストを独占させることで、結果的に経営者側が労働組合をコントロールできるのですから。

昇給も労組専従者のほうが圧倒的に早かったり、経営者側が労働組合を優遇することで意のままにコントロールできるようになり、御用組合どころか会社の一つの部署としての労働組合に成り下がっています。

Merkmalの記事では最後に「労働者の権利だから当然」と理解できない人が多数派になったことでストライキが行われなくなったと結んでいますが、実態は労働者は何とかしてほしいという意思があるものの、労働組合を会社が丸め込むことに成功し、労組の役員も自分の出世のためには労働者側ではなく経営者側だけを見るようになったことが原因のような気がします。

私がいた会社だけなのかもしれませんが。

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