山陽新幹線で人身事故
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山陽新幹線で人身事故

ネット上だけではなく、テレビや新聞などでも大きく扱われている山陽新幹線での人身事故。

報道を観ていると事故そのものではなく、昨年の「のぞみ」号での台車亀裂問題で新幹線を止めなかったことと関連して報道されています。

たしかに異音や振動など異常を感じた場合には直ちに運転指令に報告するとともに、現場(乗務員や駅員など)の判断を尊重して列車を止めるようにと本社から通達が出ているようでした。

この異常を感じた場合の定義というのはどうしても曖昧になりがちで、現場の人間だけに判断を委ねていると今回のように報告もしない事態、また逆に本当に些細なことでも報告するといった事態に陥ってしまいます。

どの程度の音がしてどの程度の振動を感じたのかは分かりません。

運転士によってどのように感じたのかも、当然ですが差がありますからね。

 

私が運転士をしていた経験の中でも、異音や振動を感じたけども運転指令には報告せず運転を続けたことが何度もあります。

このブログにも書いたことがありますが、飛んでいた鳩が方向幕の部分に当たってガラスが割れて羽が乗務員室に飛び込んでくることがありました。

ガラスが割れる音はしましたが、そのまま走行を続けて停車駅で確認してから列車無線で報告しています。

ただ私がいた会社では些細なことでも列車無線で報告しろという指示が出されて以降、それこそ車内の蛍光灯が1本切れていますなんて報告する乗務員が出て、それそれで現場では頭を抱えていた事実もありました。

新幹線は運転席から列車の先頭部までかなり距離があるので、人が当たった時の振動がどの程度になるのかが分かりません。

また犬などとの接触の経験があれば、また当たったのかって思わなくもないと個人的には思います。

また新幹線は法律によって、走行中の前方の注視義務がありません。

速度が速くて信号の確認ができないことから車内信号を採用し、新幹線の軌道内へは容易に入れないような構造にし、さらに軌道内への立ち入りについては厳重に処罰される法律を作っています。

 

今回の事故が在来線で起きていれば、前方注視はどうなっているのかなど運転士の責任が追及されることになります。

ところが新幹線では前方注視の義務がないために、結果的にひき逃げのような形になっても責任を問うことはできません。

社内的には結果的に報告遅れとなったことと、マスコミに大々的に報じられたことによる会社のイメージの失墜に対する責任を追及されるかもしれません。

でもなぁ

この新幹線の運転士一人を責め立てるのは私には違和感があるんですよね。

人が軌道内へ簡単に入ってきたことをもっと考えてほしいなぁ。

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