鉄道公安官は国鉄の職員
私が駅勤務の頃は国鉄(現JR)には鉄道公安職員(一般的には鉄道公安官)がおり、国鉄の駅や車内における治安維持にあたっていました。
鉄道公安職員は国鉄の職員でありながら司法警察権を持っていたのですが、国鉄が解体されてJRとなった時に鉄道警察隊として新たに発足しています。
あくまで国鉄の職員だった鉄道公安職員は私鉄には全く関知できません。
ですので私が駅勤務から車掌として乗務していたころまでは、鉄道警察隊ではなく所轄の警察官が私鉄での治安維持を担当していました。
でも管区長所在駅からは警察へ電話することも多く、顔見知りになった警察官も多かったですよ。
駅には人が集まってくる
ある小さな駅は夜間は一人勤務でした。
今と違いコンビニや深夜営業のスーパー、もちろんドンキホーテもなかった時代です。
夜遅くなっても明かりがついている場所って、住宅街では駅くらいしかありません。
なのでどうしても若いやんちゃ系の人たちが駅に集まってくるのです。
私とほぼ同い年くらいなのですが、やんちゃ系の人との接点がなかったので正直苦手でした。
警察官が急に入ってきた
夜一人で改札口にいると
「こんばんは!」
と言いながら勝手に改札横のドアを開けて、私が座っている場所へ入ってくる人がいました。
ふつうの私服の人ならば制止するか、下手すれば110番へ通報するところですが、入ってきた人は警察官です。
今となって考えてみても、この警察官がなぜ改札内へ勝手に入ってきたのかは定かではありません。
同僚に聞いても警察官が中へ入ってくるという話は出てきませんでした。
私がこの駅の担当の日は、8割くらいの確率でこの警察官がやってきました。
いつしか2人で改札にいながらお茶したりしましたからね。
話す内容はグチが多かったような気がします。
警察と鉄道会社って上下関係が厳しい点で共通しているからか、お互いによく似てることをグチっていましたよ。
その警察官は私より7~8歳くらい年上だったと記憶しています。
結局なぞのまま
改札口に警察官がいると、通過していくお客さんが必ず2度見していくんですよね。
何かあったのかなって。
そしてやんちゃんな人たちも警察官がいると、すぐに駅から退散していきました。
すごく安心して改札にいることができたのですが、あの警察官はなぜ駅へ入ってきていたのでしょうか。
今もなぞのままです。