私が勤務していた会社は、おそらく大昔から禁煙だったような気がします。
周辺の私鉄でも、有料の特急をのぞいてほとんどは禁煙じゃなかったかな。
国鉄も一定のエリア内では禁煙でしたしね。
東京や大阪の都市圏は禁煙で、そのエリアを出れば喫煙OKでした。
117系の新快速車内でも、京都から西明石間をのぞいてタバコを吸うことができましたから。
ただ時代の流れの中でどんどん禁煙車両が増えていき、今では座席でタバコを一服なんてほぼ無理になりました。
しかしお酒に関しては寛容なのか、車内での飲酒を禁止するという決まりはほとんどの鉄道会社で無いんじゃないかな。
運転士をしていた本当に末期のころでしたが、終端駅でホームに立っているときに絡まれたのです。
客:「電車の中でビールは飲んでいいのか?」
禁煙とは書いていても、禁酒という表示はありません。
私:「特に禁止はしていませんが」
客:「なぜだ?おかしいだろう?タバコはダメでお酒は良いというのはどういうこと?」
そんなこと私に聞かれたって分かるはずもなく、というか考えたこともないですからね。
客:「タバコはなぜダメなんだ?」
私:「最も大きな理由は火災予防です」
客:「副流煙に巻き込まれないためだろ?」
私:「灰皿などの設備もないですし、列車火災を予防するためですが」
客:「何を言ってるんだ!昔はどこでも吸えたじゃないか!」
私:「この会社では少なくとも30数年前には禁煙でしたが」
客:「私はタバコの煙以上に酒の匂いが嫌いなんだ!なぜ車内を禁酒にしないんだ!」
私:「さぁ、それは私に言われても分かりませんね」
結局この客が言うには
アルコールを摂取した人の息が異常に酒臭いから迷惑している
持っている缶ビールを車内にこぼせば皆に迷惑がかかる
実際に酔った客が持っていた缶ビールが電車の揺れでこぼれて服にかかった。
酔った人が車内で嘔吐するのも本当に迷惑だ
みたいな感じのことを言っていました。
乗務区に戻って他の乗務員や助役に聞いたところ、ほぼ毎日のように乗務員にその話をする客だそうで被害者も多いと聞きました。
確かにアルコールの匂いがイヤな人もいるでしょうが、だからってそれだけの理由で車内を禁酒にしちゃうのもどうかと思います。
私にすれば、空腹な時のマ〇ドナ〇ドの匂いほうが腹が立ちますけどね(笑)
さすがにラッシュの時間帯に車内でビールを飲まれれば迷惑だろうとは思いますが、比較的空いている時間ならば多少は良いんじゃないかなって思います。
でも飲酒を禁止しろって言うような人は、新幹線の中でビールを飲む人に対しても何か思っているのかな。
それとも通勤路線でロングシートの電車だから許せないのかな。
ひょっとしたら文句を言うことでスッキリしてるだけじゃないのかな。
この手の文句を聞くたびに、ただはけ口に利用されているような気がして・・・