三陸鉄道が旧JR山田線の路線を引き継ぎ、従来からの北リアス線と南リアス線とを合わせてリアス線として開業しました。
東日本大震災で甚大な被害を被ったJR山田線ですが、復旧完了後に三陸鉄道への移管となったのですね。
盛駅と久慈駅とは163.0kmもある長大な第三セクター鉄道の誕生です。
テレビのニュースでも取り上げられ前途洋々な旅路のような印象は受けますが・・・
鉄道事業自体は赤字、物販などの関連事業を加味しても赤字、補助金の交付でかろうじて黒字を保っている状態です。
沿線人口が減少している中での長大路線の開業は、観光客の増加と補助金に頼る体質が一層強くなるのかなと危惧しています。
それよりも驚いたのがJR四国の線区別の収支です。
黒字なのは本四備讃線(瀬戸大橋線)の児島~宇多津間のみ。
それ以外の路線はすべて赤字。
営業係数のワーストは予土線の1159
赤字額のワーストは土讃線の琴平~高知間で-17.6億円
高速道路が開通してからは列車の地位が格段に下がってしまい、便利さで自家用車、安さでバスという選択がふつうになっています。
土讃線の琴平から高知の間なんて山間部で沿線人口が極めて少なく、さらに駅から観光地へのアクセスが悪いためにバスや自家用車を方が便利と、浮上のきっかけがつかめない状態ですよ。
瀬戸大橋だって開通して30年を超えるから、これから補修費が増加して本四備讃線もいつ赤字になってもおかしくないといわれています。
今回なぜこんなことを取り上げたかといいますと、私が乗務していた路線の中には赤字路線ってあるのかなと疑問を持ったからです。
特に車掌として乗務しているときに思ったのですが
“こんなにお客さんが少ないと赤字じゃないのか?”
って思うことが度々あったんです。
夜間なんて乗務している車両に1人も乗っていないなんてしばしばでしたからね。
でも路線別の収支状況なんて公表していないし、勤めている人間にも教えたりはしていません。
収支は会社全体で、輸送人員は路線別、乗降人員は駅別。
公表しているデータ以外は社員でも教えてはくれませんでしたから。
最近はインバウンド需要で輸送人員が伸びているようですが、10年ほど前までは勤務していた大手私鉄でも
“輸送人員や収入が伸びることは考えられず、どうやって赤字を回避するかを考えなければならない”
“シンクタンクの予測では輸送人員のピークはすでに過ぎており、これからは下降の一途”
なんて言っていましたからね。
一説には鉄道部門はすでに赤字に陥っていたのかも、なんて社内では囁かれていましたが。
主要幹線以外はすべて廃止。
そんな日が来るのかもしれません。