私が勤務していた会社だけかもしれませんが
乗務区や駅などで“電車”という言葉ってほとんど出てきたことはありません。
本当にほとんど“電車”という言葉を耳にした記憶がないんですよね。
仕事上で使う言葉は電車ではなく“列車”と“車両”でした。
列車とは営業線上を走行する車両で、運転に関する規程(運転取扱心得など)に書かれている条件をクリアしたものとなります。
一般的には運転士と車掌が乗務し、標識類や気笛などが整備された本線上を走行する車両のことを列車と呼びます。
“回送”も本線上を走行するために“列車”となります。
車両とは列車以外の車両を指し、同一の編成でも駅構内を入換運転する場合などは列車ではなく車両となります。
ちなみに規程上は駅には車庫なども含みます。
車両には運転士や車掌の乗務が必要ではなく、車庫内の入換運転を運転士ではなく車両課の係員が行うこともあります。
※私が勤務していた会社では車庫構内の入換運転は車両課の係員が担当していましたが、国家資格である動力車操縦者免許は取得せず、社内の資格として教育を受けていました。
本線に支障がない区間の車両の移動に関しては免許不要となっているためです。
いまやニュースなどでも旅客を乗せて走行する列車をすべて電車と呼称することが多いですね。
昔ながらのディーゼルカーであっても“電車”と呼ぶアナウンサーが多いです。
でも蓄電池によって走行する“電車”がディーゼルカーに代わって走行する時代ですから、すべての旅客車を電車と呼んでも間違いではない時代がやってきそうですね。
最近はディーゼルエンジンで発電した電気を使ってモーターを回して走行するハイブリッドタイプの車両も登場していますが、蓄電池式と違って発電しながら走行するから、走行距離が長くなるというメリットもあります。
いろいろなタイプの車両が出てきたけど、これって従来の動力車操縦者免許だと区分はどうなるのかと思ってみたり。
蓄電池で走行する電車はディーゼルエンジンを搭載していないから甲種電気車となります。
でもハイブリッド車は電気車でも内燃車の免許でもOKなんだとか。
どちらかの免許を持っている運転士に対して、必要な教育を行ったうえで乗務させているらしいですね。
ハイブリッド車は走行距離の面で有利だから今後主力になりそうだし、そうなると甲種内燃車の免許を取得させずに済むから、会社的にはかなりの経費節減につながるでしょうから。
一説には会社が負担する操縦者免許の取得費用は、1人当たり700~1000万円かかり全額を鉄道会社が負担していましたから。
電気車と内燃車の2つの免許を取得させていたものが電気車のみになり、電気車の免許を持っている運転士が“非電化路線”を走るハイブリッド車を運転すれば済むわけで。
昔は地方では汽車と呼んでいましたが
※私の祖母やおじはディーゼルカーも客車列車も含めて汽車と呼んでいました。
それも遠い過去の話になっていきそうですね。