券売機や自動改札の日付設定を間違える
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券売機や自動改札の日付設定を間違える

駅勤務

すべてが手作業だった時代

私が駅にいた時代の券売機や自動改札などは、かなりの部分が手作業での設定が必要でした。
今はタイマーで起動するし各種の設定も自動だと思いますが、券売機も自動改札も親機の日付を設定してから電源を入れて、券売機は一台一台日付を設定してから電源を入れる。
今と違って昔は小さな駅でも券売機の数がそこそこあったので、面倒な作業ではありました。

朝、眠気眼で設定なんてやると間違えそうで怖かったこともあり、券売機は終電後に一度電源を落としてから翌日の日付に設定してもう一度電源を入れて、「試刷」と呼ばれる確認用の乗車券を発券させていました。
試刷は券売機の裏側に排出されるようになっており、翌日の日付が印刷されていることを確認してから電源を落とすようにしていました。
試刷は券紙を交換した際などにも発券させていましたが、データとして何枚発券したのかが記録されていたし、すべての試刷は回収されることになっていたので、捨てちゃったり持ち帰ったりすると怒られることに。

ちなみに券売機や自動改札の日付設定は小さなダイヤルを回転させて合わせていくもので、元号、月、日とそれぞれ回転させます。通常は日だけ動かしますが、月が替わる時には当然月のダイヤルを、大みそかの勤務だと元号のダイヤルも動かします。

機器類だけではなく、改札に置いてある「駅名入り日付印」も終電後に日付を替えて、確認のために押印していましたね。入社当時は回数券はまだ窓口販売で、利用時には駅員が日付印を押印していましたから。

 

 

日付設定ミスが多かった

「営業連絡です、○○駅の券売機3号機のみ、日付の間違いによる誤発売をしております。取り扱い方よろしくお願いします」

改札にいると駅長室からの一斉連絡が入ります。この当時はテレポンという音声呼出電話機が設置されていて、受話器を上げて小さなボタンを押して話をすると、ベルではなく音声が聞こえてくる、そんな電話機が設置されていました。
駅長室には管区内の各駅・改札とを結ぶものと、駅長室とホームを結ぶものなど何系統かのテレポンが設置されていました。

この日付の設定ミス、2~3か月に一度(もっと多かったかも?)くらいは発生していました。平日の早朝はそれほどきっぷを購入する人はいませんし、日付の設定をミスっている券売機は数台の中の一台だけなので発覚するまでに時間がかかります。
それも乗車時に自動改札でゲートが閉まって発覚するよりも、下車時に自動改札が閉まってお客さんと駅員がちょっと揉めてから発覚するケースが多かったですね。

小さなダイヤルで書かれている文字がまた小さくて、老眼の目だと判別しにくいのが原因かもしれません。

日付設定ミスの連絡を受けると、乗降客の多い駅では自動改札の「日付判定」を切って対応していました。間違った日付で販売したきっぷを通してもゲートが閉まらず、そのまま出られるようにしていました。
ただし、定期券の期限切れもノーチェックになっていましたが…。

回数券を窓口販売から券売機での販売に切り替えると、自動改札の日付設定ミスもよく発覚するように。
元々自動改札は日付のチェック機能だけで印字や情報入力の機能はありませんでしたが、回数券に使用日の印字や磁気情報で入場駅と日付のデータを入れるようになると、同じように下車駅で設定ミスが発覚するように。
自動改札は券売機とは違い親機で日付設定をするだけなので、ミスるとすべての自動改札の日付がおかしくなる。これもよくありました。

 

 

連絡網で電話連絡

日付の設定ミスが発覚すると、まずは見つけた駅員が所属する駅管区の駅長室へ連絡を入れる。
日中だと本社へ連絡を入れて、本社の営業担当部署が連絡網に従って電話連絡していきます。
ただ日付設定ミスが発覚するのは遅くとも8時ごろまでなので、本社を通さずに連絡網で本社の次に位置している駅長室へ連絡し、そこから連絡網で電話していきます。
連絡網ってある程度の年齢の方ならばわかると思いますが、昔学の校では学級連絡網っていうのがあって、電話を掛ける順番があらかじめ決まっていました。うちには山本さんから電話がかかってきて、うちは山田さんへ電話するみたいな。まったく同じ要領で営業事故の情報を駅長室や助役配置駅へ流し、その後各駅管区内のテレポンで全駅へ連絡していました。

※テレポンは今はテレスピという商品名で販売されています

ちなみに、本社がタッチしないところで現場で処理してしまうことが多いので、日付設定ミスをした駅員が処分されたという話を聞いたことがない…。

 

そういえば、月日ではなく年数を間違えて設定したレアなミスもありました。
お客さんが乗車券を自動改札機に入れたところ、扉が閉まり警報音が鳴って改札口に置かれている自動改札の制御盤も警報音とともにランプが点灯します。
必ず制御盤に目をやるのですが、その時は日付のランプが点灯していて、以前に購入した乗車券を投入したのだろうと思っていました。
改札の扉が閉まったことで怒りながら向かってくるお客さんに渡された乗車券を見ると、料金も日付も合っています。これは自動改札がうまく読み取りできなかったミスだろうと思って謝りました。

しばらくすると営業連絡で、年数を間違えて設定した券売機できっぷが発売されているとのこと。一時期だけだったと思いまいますが、磁気情報として年号は入力されていますが券面には表示されておらず、月と日の表示だけだったので間違いに気付かなかったのです。
でも誰がどうやって年数の間違いに気付いたのか??

これも駅員が日付の設定をするときに誤って年数のダイヤルを触ってしまい、10年ほど昔に戻していたのが原因だと聞きました。

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