今回は小説で
「非鉄なオレの鉄道会社勤務日誌-1 なんとなく駅員になってみたものの」というタイトルになっています。
特に鉄道に興味もない高校生が、地元を走る鉄道会社に入社するところから始まります。
内容紹介
1981年に地元を走る「商都電鉄」に入社した咲本光太郎は特に鉄道に興味はなかったが、鉄道会社はまず潰れることはないだろう、そして地元を離れることもないだろうとの思いから入社したのでした。
駅員や乗務員になる運輸部門に入った光太郎は、教習所で学科教習に勤しむことになったが、普通の会社ならば行うであろう挨拶や電話の受け方などの新入社員研修が一切なく、ただ駅員を養成するためだけの駅務見習に面食らう。
小中学生時代の「いじめ」「からかい」「両親の離婚」などが原因で、口には出さないが何かにつけて否定的な見方や考え方をする光太郎は、入社前までは何かにつけて醒めた目で無関心、そして自分の心を閉ざして自分を守ろうとする人間だった。
ところが駅の現場実習初日に「師匠」からの冗談、光太郎にとっては暴言と受け取れる発言によって、心を閉ざすとともに何にも無関心で冷めた目つきから、人を食い殺すような目つきをして自分の心を守ろうとする。そうすることで光太郎の心に近付くことができないようにするためだ。
実習初日に駅近くのカフェに行き、そのカフェで働く真梨子が光太郎が発する人を近付けないようにするオーラに気付く。自分と同じようなオーラを発するから気付いたのだった。
真梨子は高校生時代に部活の同級生から執拗な暴言を繰り返し受け続けたことで、自分の人生を終わらせようとしたものの達成できずそのまま高校生活を送ったものの、部活の顧問からのパワハラによって次第に精神状態が不安定になっていき、高校卒業後もその状態が続いた。その状態を救おうとしたのがこのカフェのマスターだったが、真梨子は素直に助言を受けることができずにその後も不安定な状態だった。
今までにマスターから受けた助言と自分自身の考えを光太郎に話すことで、真理子自身にもその言葉が反射し今の状態から脱却できると考え、マスターは真梨子に光太郎にアプローチすることを勧める。
光太朗は年配の駅員の行動や考え方が理解できず様々な悩みを持つのだが、そのたびにカフェのマスターや真梨子の助言によって助けられていく。
当時の駅の勤務時間や休日のこと、エンコードされていない他社からの軟券や硬券の取り扱い方、根強く残っていた階級による区分のこと、乗越精算のお金をちょろまかす話など、当時の駅勤務の実態も随所に散りばめています。
1980年代、鉄道会社に入社して教習所や駅での見習と、見習後の駅での勤務時に起きる様々な〝事件〟と、学生時代にいじめに遭いいまだにその影響が残る男女の話です。
あらすじを書くとこのような感じですし、ライトノベルような挿絵は一切ありませんが、小説なんて字ばかりで面白いとは思えないどころか、堅苦しそうで読みたくないと思っている、そんな方にこそ読んでいただけるように書いたつもりです。
元々はまだ運転士をしていた2012年ごろから2014年ごろにかけて、朝ラッシュが終わって次の乗務まで時間がある休憩中の暇つぶしで書いていたもので、その後助役や事務職に異動となって放置されていたものです。
小説投稿サイトに投稿していたのですが、今読み返してみると駄文としか言いようがないひどいもの。よくもまあこんな駄文を投稿していたものだと恥ずかしくなりました。
10年ほど放置していた投稿サイトを退会して駄文も消し去り、この駄文をベースに少しは小説の体になるように、そして書き入れたかった内容を押し込んでできた作品です。
ちなみに
駄文の25%ほどにいろいろと書き加えて260ページほどの文量になりましたから、今後も継続して書くと3~4冊でようやく駅勤務編が終わり、もともと立てていた構想では車掌編や運転士編もあるので、これらをすべて作品にすると一体何冊になることやら。
良ければお買い求めください、よろしくお願いします。
海道海月