GW期間中の5月6日にJR神戸線(東海道線)の元町~神戸駅間で、ATSの不具合によって誤動作し駅間途中で停車する事案が続いたそうです。
誤作動する箇所では運転間隔を広げて走行することで対処したようで、運休や遅れが出たらしい。
原因はわかりませんが、私が勤務していた会社で採用されていたATSとは違い、たぶん高性能な装置を入れていたのでしょうね。
赤信号での冒進を阻止するために開発されたのがATSですが、今ではパターン制御なんてものもあるようですし、高性能になった分だけ昔では考えられないトラブルも起こっているようです。
私が見聞きしたり実際に体験したものだと
線路際に建つパチンコ屋さんが店内で使っているワイヤレスマイクの電波が干渉して、走行中に突然ATSが動作して駅間で停車しそうになったことがあります。
当然無線で運転指令に報告もしたし、乗務区に戻ってからも口頭で説明もしたけど、ミスってデッドマンを動作させたのではないかと疑われたりしましたからね。
連続して同じようなことが同じ場所で起こればよいのですが、一週間以上同じ事象が発生しなかったりすると運転士側のミスで話を終わらせようとしちゃうのでねえ。。。
この時は月に数回は発生するので通信関係の部署が調べて、そこそこ長い期間を経てやっと原因を突き止めたって感じでした。
駅で停車している時にATSが作動して警報音が鳴る事象っていうのは、ATSを少しばかり性能の良いものに変えてから頻発するようになった気がします。
私も数回経験したことがありますが、何があったんだろうって周りを見渡して、いやいや止まっているのに動作してるっておかしいだろうって、しばらくして気付くことが多かったかな。
私は経験していませんが、起動直後にATSが動作して停止したっていうこともありました。
ノッチを入れて数秒後に突如ATS制動がかかって停車したようで、この時もたしか運転士がデッドマンを動作させた・・・みたいな疑いが掛けられたと記憶しています。
私が退社してからの話で元同僚に聞いたのですが、パターンATSの試験をある駅の下り線で実施していた時、なぜだか停車中の上り列車にパターンATSが動作した、なんてこともあったようです。
下りホームへ列車が接近している時で、下り列車にはパターンは発生しなかったのに、停車中の上り列車にパターンが発生したというケースで、一度しか確認されなかったそうです。
ATSって元々は運転士のミスをカバーするための装置で、今では様々な機能を搭載してミスが起こらないように予防する装置に変わってきています。
でも運転士に負担を掛けるような事象って言うのも少なからずあり、比較するとミスをカバーする回数よりも、負担を掛ける回数の方が多い気もします。
なので現場ではよく、無駄なATSばかり付けるな!みたいな声がベテランの運転士を中心によく出ていました。
若い運転士はATSが無いと怖くて運転できない、なんて声の方が多いようですが。