踏切をまたいで停車する列車にイライラする気持ちは分かるけど

少し前に常磐線貨物線の日暮里道踏切上で貨物列車が停車し、なかなか開かない踏切に業を煮やした人々が、貨物列車の連結器分を乗り越えて渡る動画が拡散されました。

「危ない!」踏切で貨物列車が緊急停車中、連結部分を強引に乗り越える人たちに背筋が凍る

日暮里道踏切から東へ250mほど先の三河島道踏切内の停止信号を認め緊急停車したが、停車した場所が悪くて車両点検が必要となり30分間にわたって停車して点検したために踏切を塞いでいたのこと。

30分間も踏切を塞ぐかたちで停車されればイライラする気持ちは分かるけど、だからと言って貨車の連結部分を乗り越えて渡っていくはさすがに危険すぎる。

踏切上に停車した貨物列車の機関士が後方を確認してから列車を動かすことはなく、もしも連結部分を乗り越えている時に貨物列車が動き出せば命を落とす確率が非常に高いですからね。

駅に停車している旅客列車の場合、車掌がホーム上の安全を確認してから運転士に対して出発合図を送るのでまだ安全なのですけどね。

ワンマン列車でもノッチを入れる前に運転士がホーム上の安全を確認しますので、動き出す前はホーム上の安全が担保されているのですが、動き出してからは車掌が乗車していない分危ないとも言えますが。

 

ちなみに駅ではない箇所に停車した列車を動かす場合、私がいた会社では運転士が車掌に対してベル合図を送ることになっていました。

今度は車掌が運転士に対して出発合図を送り返すことになっていましたが、これは車掌が車外へ出ていないことを確認する意味合いが強く、停車した列車の周りの安全を確認した後というものではなかったです。

私が車掌をしていた時は、ざっとですが乗務員室から顔を出して簡単には見ていましたけどね。

人身事故などの関係で停車した時など、警察官や救急隊員が車両に近付きすぎていて接触の恐れがないかを見ていたのですけども。

 

非常ブレーキを使用して緊急停車する場合は、止まる場所の状態まで運転士は気にはしていません。

だって緊急に停車する必要があるのに、もう少し先で止めないと踏切を跨いじゃうな、なんて考える余裕なんてないですしね。

 

また場内信号機が停止現示の場合に列車を停車させる場所は決まっているのですが、私は運転士時代にはケースバイケースで停車せる位置をちょっとずらしていました。

例えば他の列車は動いている状況で私が担当する列車に対して停止現示が出された場合には、踏切を跨ぐように止めていました。

他の列車が動いている状況ですから、下手に踏切を空けるように止めていると踏切が閉まっているのに渡る人が出てくることが多いから。

ところが人身事故やシステム障害などで全列車が抑止(運転見合わせ)されている時は、私は正規の停車位置ではない所に止めて、踏切を空けるようにしていました。

1時間近く場内信号機の外方で停車したケースでは、踏切を空けて停車した間に何人かの人が閉まった踏切を渡っていきました。

この時は私が乗務員室から顔を出して、

「今は電車が来ないから渡って!」

と通行人に声までかけましたからね。

※通行人のうち誰かが会社にお礼のメールを出したおかげで、私はかなり怒られましたけど…

 

近年はかなり長時間運転見合わせを行うことが多くなっており、踏切によってはずっと閉まったままだったり、今回のケースのように列車が踏切を塞いで止まるケースも多いです。

だからと言って閉まっている踏切を無理に渡ったり、貨物列車の連結部分を乗り越える危険行為はちょっと考えものです。

鉄道会社ももう少し運転再開までの時間を短くする努力は必要ですね。

意識のどこかに、「乗せてやってる」みたいな“殿様商売”気質があるような気もするし。

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