25年1月23日、JR北海道・函館本線朝里駅付近の踏切で、小樽発新千歳空港行き「快速エアポート76号」と接触する人身事故が発生。被害者は中国からの観光客らしい60代の女性で、意識不明で病院へ搬送後に死亡した。
現場は中国映画のロケ地になったところらしく中国人に人気があり、最近多数の中国観光客が押し寄せていて、踏切の警報音が鳴ろうがお構いなしに軌道内へ侵入する人が後を絶たず、地元の人たちはいずれこういう事故が起きるだろうと危惧していた、といった報道がされています。
有名なロケ場所の聖地巡礼、雪と海が見える場所として集まっていたのでしょうね。
ただルールとして軌道内に立ち入ってはいけない、踏切の警報音が鳴りだせば直ちに踏切から退去しなければいけないというのは日本人にとっては当たり前のことで、他国へ旅行するのならばその国や地方のルールを最低限知っておくべきです。知らなかったではすみません。
ただ今回の報道に関するヤフコメなどを見ていると、中国人にルールを守らせろと言った当然とも思えるものから、刑罰をもっと厳しくしろとか、中国人自体を入国させるなといった過激なものまで散見されます。過激になる気持ちも分かりますけどね、昨今の訪日外国人の中で中国人は飛び抜けてマナーが悪く、実際にそういった場面に何度も出くわしていますから。
それとともに思うことは、人気観光地や人気撮影スポットにきてカメラを構えたとたんに冷静さを失い、完全に自分だけの世界に入り込むことで周囲の迷惑なんて頭から消え去り、ただ自分の考え思うことだけに従って行動するのは、日本人も同じだよなと。
このサイトは鉄道系のブログですから撮り鉄のことをまず取り上げますが、今回の事故に遭った中国観光客と大差がないなとしか思わないんですよ。
実際のところホームで撮影している人を見ていると、撮影対象にだけ注意力を向けて接近する列車に対しては注意力ゼロという人がかなり多い。入駅していくとこちらに背を向けたままホームの端っこに立ち、警笛に驚いて慌てて待避する人が非常に多い。ファインダーの中の自分の世界に入り込んでいて、周囲の人から向けられる目やその人たちに対する迷惑なんて微塵も考えていないし、構図の中に誰かが入ってきて邪魔だと思ったら冷静さを欠いて暴言を発しますから、今回事故に遭った中国人もよく目にする撮り鉄も同じだなと。
撮り鉄に限らず、カメラを構えたとたんに自部の世界に入り込み、考えた構図と世界がすべてという人は本当に多いし、これはマスコミの連中も同じですわな。
※ニュースの素材で撮影しているマスコミ連中って、こちらからすると仕事の邪魔をされているとしか思えない。
結局はこういうことが起きれば乗務員や労組の側から会社に安全対策の申し入れが行われ、フェンスが設置されたりホームでの撮影が制限されたりしていくという、まさしく自分で自分の首を絞める状態になっていくわけです。
朝里駅付近に関しては事故という輸送障害が起きたわけですから、このまま放置ということは考えられないし、逆に何もしなければJR北海道の安全に対する考えはその程度のものと言うことになります。
昔は有名な撮影場所だったけど今は……、みたいな場所をこれ以上増やさないようにするためにも、もう少し考えて節度を持った行動を。