昔から乗務員や駅員に対して暴力行為を行う者や言いがかりをつけてくる者はいます。
下記の読売新聞の記事中に書かれている
「座席で寝ている客を車掌が起こすと頭突きされた」
というのは、私の場合は頭突きではなかったけど同様のことを車掌・運転士時代に何度か経験しています。
一度はいきなり腹を殴ってきたから、そいつを引きずって改札まで連れて行き、警察に引き渡したこともありますしね。
乗務員室の窓に手をかけ「お金返して」・警笛鳴らした車両にかばんぶつける…迷惑行為が頻発
- 「切符をなくした」と言う客に乗務員が再購入が必要だと伝えたところ「詐欺師だ」といい腹を蹴った(読売新聞の記事から)
きっぷ紛失の場合は原則もう一度料金を支払ってもらい、再収受証明書を発行するのが正規の手順ですが、私は駅勤務時代に一度も再収受証明書なんて発行したことがないなあ。
その人の態度を見て、本当に購入していたきっぷを失くしたという態度ならば「今度からは気を付けてね」と言って改札を出していたし、明らかに初めからきっぷを買っていないとか、区間外乗車をしているなと思えば請求していました。
どんな経緯から詐欺師呼ばわりされることになったのかは分かりませんが、自身の責任であるはずなのに、鉄道従業員側に対して“おまけ”を要求してくる人が多いですね。
そして自分の要求が受け入れられなかったら相手を罵倒する。
昔はここまでひどい人はあまりいなかったように思うけど。
会社側からは規則を遵守せよとの指示が強く出されていることから、駅員や乗務員もそう簡単に「今度からは気を付けてね」とは言えない環境になっている気もするし。
- 同16日朝には坂出駅で、特急が到着する際、ホームの線路近くを歩く男(40)がいたため、運転士が警笛を鳴らしたところ、男が車両にかばんをぶつけてきた。特急は緊急停止せざるを得ず、運行が約3分遅れたとして、駆けつけた坂出署員が現行犯逮捕(読売新聞の記事から)
警笛を鳴らされて怒る奴って一定数いるようですけど、点字ブロックや白線などを超えて線路側に接近しすぎることで列車との接触の危険性が高まります。
警笛を鳴らさずに接触した場合、運転士は危険回避の措置を取らなかったとしてペナルティを受けることになります。
社内処分だけで済めばまだマシで、接触した人が負傷したり死亡した場合には、運転士は警察に逮捕されることになりますから。
そもそもの話が、ホーム上の点字ブロックや白線を越えて良い時って列車に乗車するとき以外は原則ありません。
私もホームの際を歩く人に対して警笛を鳴らしたら、停車後にその人が私の顔や名札をデジカメで撮って逆ギレしてきたことがあります。
キレる前に警笛を鳴らされるような場所に立ち入らなければ良いだけのこと、としか思いませんけどね。
JR四国の社長は、迷惑行為には毅然とした対応を取るよう現場に指導している、と新聞社の取材に対して答えるようですが、毅然とした態度を取れるだけの人数が現場にいるの?としか思えないのもポイントですよ。
今時のすぐに絡んでくる奴は護身用と称してナイフなどの武器を持っているケースも多いのに、ほとんどの駅は無人化で列車もほとんどがワンマン運転という状況で、どうやって毅然とした態度を取れと言っているのかな。
統計的によく問題行動がみられる駅に、社長を筆頭に本社の方々が一日中見張っておきますか?
私が駅員や乗務員、そして助役として勤務していた頃と比べて、列車内や駅の治安状況はさらに悪くなっているように思います。
しかし現場の係員を減らす方向なのはすべての鉄道事業者で共通していますから、今後はもっと理不尽な迷惑行為が多発するんじゃないのかなと危惧しています。