JR東日本やJR九州の指定した路線の一部の駅で、車いすの旅客の乗降を乗務員がサポートするという取り組みを行うそうです。
無人駅や一部時間帯のみ無人駅となる駅での車いすでの乗降は、原則事前に有人駅へ連絡して係員を派遣してもらう必要があります。
これを事前連絡なしでも、乗務員が乗降のサポートを行うことで解消しようという考えのようですね。
私が勤務していた会社では完全な無人駅はなく、早朝や深夜時間帯のみ無配置となる駅や、複数の改札口がある駅で一部の改札口のみ無配置とする駅はありました。
このために列車への乗降を乗務員がサポートすることはあまりなく、ほぼ駅係員に任せきりでした。
でも駅の合理化が進み、車いすの乗降の手伝いをするためには改札口を閉める必要が出てくるなどして、駅から乗務区へ対しての要望として、列車への乗降は車掌が行うようにしてほしいというものが実際にありました。
もちろんできないことはありませんが、車掌が車いす旅客の列車への乗降を行うとなると、当然ですが車掌が乗務する最後部の車両に限られてきます。
元々車いす旅客の乗車位置は最後部が原則となっていましたが、車いす旅客からの要望と改札口やエレベーターに近いほうが作業が効率的だとする駅係員側の都合によって、どんどん最後部から離れていった現実があります。
なのでそう簡単に車掌に車いすの乗降を任せてしまうのは、いろいろと弊害があるとして行われなかった事実があるんですよね。
JR東日本や九州の取り組み自体は評価されるのかもしれませんが、乗務員が車いすの乗降をサポートできる駅を明確に広報しておかないと、またいろいろとトラブるんじゃないのかなと思います。
ホームによっては地下道やこ線橋を渡らなければ改札口へ行けない駅がたくさんありますし、乗務員がサポートできるのは列車への乗降のみで改札口への移動はお客さん自身で行ってもらわなければいけませんから、ホームの構造と駅員の配置の有無によって乗務員がサポートできない駅があるということを明確にしてもらわないとね。
もちろん全駅のバリアフリー化が完成すれば、乗務員がサポートすることで事前連絡なしで全駅での車いすの乗降が可能になります。
でもどう考えたって無理でしょ。
ただでさえ乗降数が各駅で減少傾向をたどっているし、今バリアフリー化が完成していない駅は他の工事の関係で着工時期が遅くなっている駅を除いて、乗降客数が少なくてバリアフリー化工事への出費なんてとてもじゃないけど無理!って駅ばかり。
だからそういった駅では、少しでも収支改善のために駅員を配置しないという方法に出ているのですから。
乗務員に任せればいいなんて会社の上層部は安易に考えるようですけど、試験期間中はトラブルなく乗り切ったとしても、その後は絶対にトラブルが起きますよ。
乗務員が対応する駅で車いすを乗せたのは良いけど、無人駅で改札口まで車いすの人が自力で行けない駅で降りると申告されて、すぐに駅員を用意しろ!なんて乗務員が文句を言われたり・・・
結局泣きを見るのは駅員や乗務員など現場で働く人間なんですよ。