耐震補強工事施工済みの箇所と未施工の区間で被害の差が出た
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耐震補強工事施工済みの箇所と未施工の区間で被害の差が出た

東日本大震災の余震、というにはあまりにも大きな地震が13日の23時過ぎに発生しました。

これだけ大きな地震だったわりには幸いなことに死者は出ていませんが、東北地方の広範囲で被害が発生しています。

在来線はほぼ平常通りに運転できるようですが、東北新幹線では那須塩原~盛岡間で運休が続いており、運転再開までには10日ほどかかるということが発表されています。

報道によれば新白河と古川の間で高架橋やレールの土台が数か所損傷、少なくとも20本の架線柱が折れたり傾いたりしているのが確認されていると。

レールの土台ってスラブ軌道でしょうから路盤のコンクリートが割れたのでしょうね。

高架橋も傾くと言った大きな被害ではなさそうですし、地震の規模に比較して被害はまだ小さかったと言えるでしょう。

これまでも補修工事を断続的にしてきた成果が出たといところです。

ただし架線柱に関しては現在も補強工事を進行中で2028年度完成予定だったようで、今回被害を受けた架線柱はまだこの補強工事が実施されていなかった箇所だったようです。

そう思うと地道でお金も時間もかかる耐震補強工事って、公共交通機関では最重要な工事かもしれないと思いました。

 

もちろんホームドア・ホーム可動柵の設置も大事ではありますが、もっと大きな被害が想定されその対策となる耐震補強工事やの方が優先度は高いのかなと、今回の地震での被害状況を見て感じました。

 

 

各鉄道会社でも駅や高架橋などの耐震補強工事を順次進めています。

既存施設をそのまま耐震化する箇所もあれば、作り替えることで商業スペースを新たに生み出す方法を取る会社もあるでしょう。

私が勤務したことがある駅の中には昔の面影をなくしていたり、まったく違う駅に生まれ変わった所もあります。

そのうちホームドア・ホーム可動柵がもっと普及していき、私が車掌として乗務していた頃とは違った駅ばかりになるでしょう。

架線柱にしたって私が運転していた頃はまだ年季の入ったトラス形状の架線柱や、砂利を混ぜてザラザラした感じのコンクリートの架線柱もたくさんありました。

これらの古い架線柱の中には昭和20~30年代のものも多く存在しており、中には大正時代の架線柱も現役で残っていました

こういった耐震性の低い架線柱もどんどん姿を消していくのでしょうね。

 

 

この先も運輸収入が伸びる要素は見出しにくく、新型コロナが落ち着いたとしても以前ほどの旅客数に回復することはないのではないかと言われています。

そんな中で運輸収入に直結することは無い設備への投資が今後もかさんでいくことを考えると、さらなる合理化は必須となるでしょう。

それにプラスして、これまで耐震対策工事に積極的に投資していた会社と、今後収入が減る中で耐震対策工事を進めていかなければいけない会社とで、体力の差が如実に出てくるかもしれません。

耐震対策よりも目先の儲けのために動いていた会社は、今後本当に大変になってくるのではないかな・・・

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