昔のことですが、学生時代の友だちにこんなことを言われたことがあります。
「もう特急を運転できるようになったか?」
私にすれば何を言っているのか理解できませんでしたが、よくよく聞いてみると・・・
運転士の駆け出し時代は普通列車ばかり運転させられる。
ある程度の年数運転士として乗務し、運転の技術がある程度のレベルに達したと判断されたら特急列車の乗務ができるようになる。
つまり特急列車はベテランが運転するものだろうということですね。
一部の会社では運転士経験が〇年以上で特急の乗務ができる、なんていう内規なのかはたまた“しきたり”や慣例なのかは知りませんが、そのような運用を行っている会社も実在します。
また国鉄でも蒸気機関車時代の機関士は乗務年数や技術によって、各機関区の所属グループと言うか所属する班が違っていて、普通列車を担当する班や特急列車も担当できる班にわかれていたと聞いたことがあります。
今では多くの鉄道会社ではこのように運転士を分けることなく、仕業表や行路表によって順番に乗務するようになっています。
特急や急行などの優等列車が多い仕業もあれば、一日中普通列車ばかりを担当する仕業もありました。
また一部の会社ですが、特急の乗務ができる運転士とできない運転士に分けているところもあると先にも書きましたが、この場合は同じ乗務区の運転士でも行路表が別になっています。
ただしあくまで特急に乗務することがあるだけで、特急の乗務が含まれる行路表であっても、一日中特急の乗務がない仕業ももちろんあります。
※同様に車掌を分けている会社もあるようです。
運転の技術的なことで言えば普通列車のほうがやはり難しいです。
列車の運転で最も神経を使い難しい操作は、列車を決められた停止位置にきちんと止めることであり、その回数が多くなる普通列車のほうが難易度ははるかに上になります。
でも高速で駅を通過する特急列車など優等列車って、時として“怖い!”と思うことも多いので、私は普通列車を担当するほうが好きでしたね。
新型車両の出発セレモニーで花束を受け取る運転士や、新線開業や新駅開業などの際に花束を受け取る運転士という姿もたまに報道されたりしますよね。
こういう運転士はやっぱり乗務区内で指名されることが多いのかな。
でも私が所属していた会社の乗務区では、こういったセレモニーであっても仕業表や行路表の順番通り。
私は新型車両運転開始のセレモニーに当たってしまい、運転台横のホーム上で花束を受け取ったことがありますよ。
そんなセレモニーに当たることを事前に知っていたら、有給休暇を取って回避するんだけどなぁ(笑)