最近全国の鉄道会社で、これまで当然のようにあった備品がどんどん姿を消しています。
経費をできるだけ圧縮するためではありますが、ちょっとやりすぎかなと思う反面それだけ切羽詰まっているとも言えるので、まだまだいろいろな備品がなくなっていきそうです。
ゴミ箱の撤去は一部の利用者の責任
私が駅勤務をしていた1981年~1983年当時から多かった、家庭ゴミを駅のゴミ箱に捨てる人。
昔はそれほど大きなゴミが捨てられるわけでもなく、正規のゴミ捨て場に持っていくのが面倒で、列車利用のついでに駅のゴミ箱に捨てていたような感じがしていました。
この当時から清掃担当者の多くが、最近は家庭ゴミを駅のゴミ箱に捨てる人が多くなっているという声は聞いてはいました。
でもまだそれほど大きな問題にはなってはいません。
その後各地でゴミを捨てる際には自治体指定のゴミ袋(普通のゴミ袋より高い)に入れなければ収集しなくなり、このころから駅のゴミ箱に捨てる人が多くなっていきます。
駅のゴミ箱ですから、自治体指定のゴミ袋ではなくスーパーのレジ袋に入れて捨てる人が多かった。
どんどんエスカレートして駅のゴミ箱に捨てられるゴミの量が増大していき、改札回りやホームのゴミ箱からの異臭に関する苦情や、朝のラッシュ時間帯にはゴミ箱からゴミがあふれるような状況になっていった。
一部の大型家電の回収が有料になったことで、古いテレビなどを捨てる人も増加。
これらのゴミの処理費用はすべて鉄道事業者側が負担せざるを得ず、あまりに酷いためにゴミ箱の一部閉鎖や撤去に動いたわけです。
表向きは爆発物などの不審物対策となっていますが、多くの鉄道事業者で頭を抱える問題になっていたようです。
だって
不審物対策ならばコインロッカーも撤去するはずですが、逆に増えていますから…。
時計の撤去
私がいた会社では車掌にも運転時計(懐中時計)が貸与されていましたが、乗務中に時間を確認するには腕時計の方が便利なので、ずっと腕時計をしていました。
運転士になってからも運転台には運転時計を置き、腕には腕時計をして乗務していました。
ただ仕事以外で外出する時には徐々に腕時計をしなくなっていきました。
携帯電話を持つようになったからです。
携帯電話が出回り始めた当初は時間を自動で調整する機能がなかったので(電源を落として入れ直せば時間が調整される、持っていた機種だけ??)腕時計を使っていましたが、その後は携帯電話の時刻が自動で調整されるようになったので、腕時計をしなくなりました。
駅の時計の立ち位置もスマホの普及でかなり微妙なものになり、無くても特に困らないという人が多くなってきたので、更新せずにそのまま撤去となっているようです。
でも個人的には改札口かホームのどちらかだけで良いから、一つくらいは残しておいてほしいなとは思います。
運転間隔が10分以上開く路線ならば、時刻表の横に時計があれば便利だと思うのですが、やっぱり経費カットの対象になってしまうのですね。
ホームから時刻表を無くすのはやりすぎな気がする
鉄道運輸規程には
ということで、時刻表を駅からすべて撤去することはできません。
ホーム上から時刻表を無くしたとしても、改札口の周囲には必ず張り付けているハズです。
これも運転本数が多い区間ならば、ホームから時刻表を撤去して発車標だけにしても大きな影響はないかもしれません。
でも本当にそれで良いのかなって、思えてきて。
鉄道における時刻・ダイヤは商品であって、その商品の詳細を記載したものが時刻表だろうと思っています。
その詳細を利用者が自らスマホで調べろって、駅以外の場所にいて時刻を調べる時はそれでもいいと思うけど、ホームにいる時にまで利用者自らが調べろと言うのはさすがにやりすぎじゃないかな。
運転間隔が5分程度の均等で、すべての列車の種別や行き先が同じならば気にはならないけど、普通列車と快速や急行列車の運転間隔が違っていて行先も違うとなると、やっぱり時刻表の掲示はホーム上にも必要だと思います。
QRコードを自分のスマホで読み取って自分で調べろなんて、これはちょっと鉄道社局側が高飛車すぎる気もしますし。
そのくせ自社の旅行商品のCMポスターは頻繁に張り替えたりするのは、いったい何だろうと思うところもある。
そのほかには照明の一部を消すなんてこともやっているようですが、私がいた会社で日中は使わないホームの照明を消していたら暗くて気味が悪いなどのクレームが多数寄せられて、一部の照明だけを消すだけにすぐに方針転換したことも。
駅のトイレを撤去・閉鎖して列車のトイレを使えなんてことも実際に行われている。
エスカレーターの運転停止や閉鎖、撤去を進める社局もあります。
でもその反面、都市開発にはかなりの資金を投入。
鉄道会社の名前だけが欲しいとか、鉄道会社の名前は信用があるから利用して別の事業で儲ける、鉄道業はそのためだから極力費用を抑えよう。
そんな感じなのでしょうね。