6月3日15時50分ごろ、東武鉄道の南栗橋発東武宇都宮行き下り普通列車が国谷駅を出発した後、運転士が体調不良に襲われ運転継続が不可能となりその場に停車。
列車はホームを進出した位置で停車していたため、乗客は線路に降りて避難し、運転士は救急搬送されたそうです。
運転士だって人間なのですから、日ごろから気を付けて体調管理していても、突然体調不良に襲われることはあります。
乗務員や駅員は年に2回の健康診断が義務付けられていますし、私はそのうちの一回は必ず人間ドッグを受診していました。
おかげでいろいろな病気が見つかりました(笑)
私と同じように健康診断や人間ドッグを受けていても、急に体調が悪くなって救急搬送されて入院という方もいますから、こればっかりはどうしょうもない。
体調が少し変だなとか、いつもとは違ってちょっと気分が悪い。
そういったことを感じながらも申し出ずに乗務を継続してしまう。
そしていよいよダメだとなってようやく列車無線で運転指令に報告する。
今回の東武鉄道での件も、何とか我慢しながら運転していたものの、駅出発直後にもう無理だとなったのでしょうね。
冷静になって考えれば、国谷駅に停車中に無線連絡すれば、お客さんは線路へ降りて歩く必要もなかったのですから、ベストな選択は駅停車中の連絡です。
でもたいていの運転士や車掌は今回と同様に、極限まで我慢して乗務しますから。
なんだろう、職務を放棄できないとか、お客さんを放置してはいけないという思いが根底にあるんですよね。
運転士や車掌の心には、列車を自分の都合で止めてはいけないという気持ちがあるのです。
私が所属していた乗務区でも、車掌がちょっと調子が悪いと思いながら乗務していたけど、駅間で乗務員室内で倒れてしまった。
次の駅に到着してもドアは開かない。
ラッシュの時間帯でホームで助役が立哨作業を行っていたため、最後部の乗務員室に駆け付けると車掌が倒れておりすぐに救急搬送。
たしか心筋梗塞だったと思いますが、倒れてから救急搬送されるまでの時間が短かったために一命はとりとめました。
ひとつ前の駅は乗務区の最寄り駅だったので、この駅に停車中に申し出れば良かったのですけどね。
また以前にも書いたと思いますが、優等列車担当中の運転士が痛風発作に襲われて運転が継続できなくなり、救急搬送されたケースもありました。
私はこのような急病に襲われたことはありませんが、腹痛には何度も襲われています。
これだって早めに無線等で申し出ておけば、乗務員を手配してもらって早くトイレに駆け込めるのですが、どうしても運転しなきゃという意識が勝ってしまって、ぎりぎりまで乗務を続けてしまうのですよね。
それと今はすぐに会社も公表するし、マスコミも報道するから、昔よりよけいに我慢して乗務してしまう車掌や運転士が多くなっているような気もするし……