喫煙ルームも消滅
2024年3月1日に近鉄の特急車両にあった喫煙ルームが廃止され、3月16日には東海道・山陽・九州新幹線からも姿を消します。
これで車内でタバコを吸える一般の列車は「サンライズ瀬戸・出雲」の一部の個室だけに。
昔は長距離列車なんて禁煙という概念がなく全座席が喫煙可で、東海道新幹線に禁煙車が登場したのは1976年で「こだま」から。
それも16両のうちの1両だけの設定でした。
喫煙席が東海道新幹線や近鉄特急から消えたのが2020年ですから、たった4年で喫煙ルームまでなくなるとは正直なところ思っていなかったです。
たしかにタバコを吸った方からの匂いってかなりきついものがあって、タバコを吸わない人からするとあの匂いだけでも迷惑に感じますし、喫煙ルームの廃止は時代の要請だったのかなと思います。
私も40歳のころまで喫煙者で、それもヘビースモーカーだったのですが、出勤のために駅で電車を待っている時に
「いやね、あの人タバコ臭いわ」
と学校帰りの小学生の女の子3人に言われて、匂いで周りに迷惑を掛けているんだなと気付かされて、そこから禁煙して今に至っています。
※なぜか標準語で話をする小学生が多く在籍する私立の女子高
体に染みついたタバコの匂い、本当に臭いですからね。
駅も車内も自由にタバコが吸えた時代は過ぎ去り
昔はホーム上のゴミ箱とセットで吸い殻入れが設置されていました。
1つのホームに吸い殻入れは3~4個は設置しているのが普通で、昔はタバコに対して寛容というか吸うのが普通だし、どこでも吸えるのも普通という感じでした。
鉄道の車内だって都市部では禁煙だけど郊外に出れば吸えるのが当たり前で、関西だと「京都~西明石」関東だと「平塚~東京」みたいに区間を指定して禁煙としていることも多かったです。
そのうち禁煙タイムというものが設けられるようになり、朝7時から9時と17時から19時みたいな感じで時間を指定して禁煙とするケースが増加。
ホームの吸い殻入れの周りに禁煙タイムが掲示されたり、車内だと車掌の放送によって知らせられる感じだったかな。
やがてホーム上の吸い殻入れはどんどん数を減らし、喫煙エリアといった名前でホームに一ヶ所とか駅構内に一ヶ所みたいに集約。
エリアというだけで囲いなども何もなく、ただ端っこに追いやられただけみたいな感じになっていましたね。
ホーム上がまだ禁煙ではなかった頃、私がいた会社の運転士や車掌も緩急接続の合間などによくタバコを吸っていました。
乗務員室のちょうど横に灰皿を設置していたし、会社も乗務員がタバコを吸うという前提だったのかな。
ちなみに昔から車内は禁煙だったのですが、平然とタバコを吸っているお客さんもよく見かけました。
ロングシートで当然灰皿なんてないけど、紫煙をくゆらせ灰も吸い殻も床にポイ。
まあ運転士の中には遮光幕を下ろしている時間帯になるとくわえタバコで運転する人もいましたし、私が駅で勤務していた頃は改札口でタバコを吸いながら座っている駅員も普通にいましたからね。
乗務区内の禁煙化は遅かった
私が配属されていた乗務区内は、長い間全エリア喫煙可能でした。
ダイヤが乱れて車両と乗務員の運用がうまくいかなくなると、乗務区には座る場所もないほどの乗務員でごった返します。
するとみなイライラしているからタバコを吸いだし、ほんの少し先が見えないほどタバコの煙が充満してものすごく健康には悪い職場でしたよ。
明確にいつ頃からかは覚えていませんが、最初に乗務区内の食堂が禁煙になりました。
昔は食堂にだけテレビが設置してあって、野球や競馬の中継があると食事をする人が座れないほど大盛況になるし、横で食事をとっていてもお構いなしにタバコを吸うものだから、せめて食事をする人がいる時だけでも禁煙にしようとなったのですが、お行儀の悪い乗務員も数多くいたので掛け声倒れに。
それで仕方がなく食堂内全面禁煙に踏み切ったって感じでした。
乗務員は休憩時間の関係でたいてい常に誰かが食事をしていましたから、禁煙にするのが遅かったくらいですけどね。
その後に乗務区の休憩スペースの半分だけが禁煙スペースに。
場所で区切っただけで特に囲いをしているわけでもなく、まったく無意味な状態で放置されていましたが、女性の乗務員がやってきた以降に、ようやく喫煙ルームが設けられたと記憶しています。
乗務区に喫煙ルームが設けられたのは、ホームから吸い殻入れがなくなったのよりずっと後のことでした。
私がタバコを吸わなくなって以降のことでしたし。
ちなみに喫煙ルームは〝ヤニ部屋〟と呼ばれていました。