JR東日本が乗車拒否?伊是名夏子さんのブログから思うこと-1
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JR東日本が乗車拒否?伊是名夏子さんのブログから思うこと-1

伊是名夏子と言う方のブログ(エッセイ?)が賛否両論を巻き起こしています。

タイトルからして「JRで車いすは乗車拒否されました」ですから、そりゃ様々な意見が出てくるでしょう。

 

このブログの内容を要約すると

 

小田原駅で伊東線の来宮駅に行きたいと伝えると、当初は乗車の15分前に来てほしいと伝えられた

案内にしたがって15分前に行くと今度は来宮駅は階段しかない無人駅なので案内(介助)できない、よって熱海駅までで良いかと言われた→乗車拒否?

伊是名夏子さんの側から3~4人駅員を集めて介助してほしいと願い出るもJR側は断る

熱海駅からタクシーなどでの移動を提案される

このようなやり取りを1時間ほどした後、とりあえず熱海まで電車移動する。

小田原駅では無理だと言われていたが熱海駅では4人の駅員がおり、来宮駅での介助をしてもらった

 

 

まずブログのタイトルに「乗車拒否」という言葉を使ったのは行き過ぎでしょうね。

結果的に当初の目的駅まで乗車することはできているわけですから。

おそらくですけどこのブログの記述に

「レストランもホテルももう予約しているので、この電車で行きたいです」

とあるので、希望した電車に乗れなかったことを指して乗車拒否と言っているのかな?

 

 

私はこの方がどのような方なのかも知りませんし興味もありません。

障害をお持ちの方で電動の車いすを使用している方、それ以外のことは私にとってはどうでも良いことですから。

これは当日小田原駅や熱海駅で対応に当たった駅員みんな同じ感想のはずです。

ただ私がその現場で駅員として接していたら

「また声のでかい人が自己主張だけを繰り広げている」

と思い辟易しながら接していたことでしょう。

※声がでかいって音量だけの問題ではないですよ

 

 

車いすの方の移動に関しては、都市部の駅ではある程度設備は整いつつあると思います。

私が駅で働いていた昭和50年代なんて、エレベーターが設置してある駅なんてごく少数でしたからね。

ただし都市部から離れるにつれてバリアフリー化の遅れは顕著です。

JR湖西線の志賀駅で駅員がベビーカーを持って階段を降りているときに、ベルトをしていなかったことから赤ちゃんが落下し骨折したということもありましたよね。

このために車いすをはじめ、杖を使っている方やベビーカーを使っている方などは移動の制約を感じることも多いでしょう。

さらに駅の無人化または配置駅員数の大幅削減がその制約に拍車をかけているのも間違いのないことです。

 

 

健常者ならば全く問題なく来宮駅で下車できるのに、車いす利用者は制限がかかるということは解消すべき問題です。

 

誰もが思った所へ自由に移動できる

 

車いすだろうが、杖を突ていようが、ベビーカー利用者だろうが、みなが同じように自由に移動できるようになるのが理想でしょうね。

ただしそのためには莫大なお金が必要になる。

鉄道会社だけで解決できる問題ではありません。

鉄道会社にしてみれば、利用者が多く収益も多い駅から設備を整えていきます。

それに対して都市部から離れていくにつれて各駅での収益は落ちていくことから、費用対効果や受益者負担の観点から見て利用者の少ない駅の整備はどうしても後回しになります。

現状ではバリアフリー化は難しいからと言って、配置駅員数を増やしたり無人駅を減らすというのも収益の点から見て無理です。

今の数倍以上の運賃を負担できるのであれば無人駅の減少と配置駅員数の増加は可能かもしれませんが、そんなに電車賃が上昇しても引き続き鉄道を利用しますか?

結局は鉄道会社ではなく自治体や国に訴えかけなければこの問題は解決しないのです。

 

 

私が担当していた列車ではなかったのですが・・・車いすの方が乗車されていました。

その方は当初A駅で下車するとのことだったので、乗車駅からA駅に対して係員の手配を行っていました。

ところがその車いすの方が車掌に対して、やっぱりB駅で降りると申し出てきた。

B駅は階段のみの駅でなおかつ階段の幅も狭く、さらに日中は駅員が1人しか配置されていない。

車掌もそのことを分かっていたけど列車無線で要請してみたところ

「B駅での対応は不可能です、A駅まで乗車するように案内してください」

車掌がそのことを車いすの方に伝えると

「なぜ自由に降りることもできないのか!」

と車内で大声で罵られながら、A駅到着までの数駅間平謝りを続けたというのです。

伊是名夏子さんのようにマスコミに言いつけるようなことはなかったのですが、しかし車掌にしてみればかなり我慢していたと思いますよ。

私だったら言い返してしまい、結果的にマスコミの餌食になっていたかも・・・

 

車いすの方の言い分も分かるのですよ、健常者だったら勝手に降りることができるわけで、車いすを利用していることで自由に移動もできないという制約を目の前に突き付けられたのですからね。

だからと言って車掌や駅員に対してできないことを要求されてもどうしようもできない。

物理的に無理なことに対して大声で罵られたところですぐその場で何かが変わるはずもない。

変わるとすれば車掌や駅員の心に車いす利用者への憎悪の芽を発芽させてしまうことくらいじゃないかな。

結果的に迷惑を被るのはその他の車いす利用者の方なんですけどね。

※これって撮り鉄の問題と同じっぽく捉える方もいるでしょうが本質が全く違いますよ。

 

車いす利用者の方をはじめ、どのような方であっても“壁”を感じることなく利用できる鉄道が理想だとは思います。

また伊是名夏子さんのブログに呼応するように声を上げられている方もいらっしゃいます。

もちろんそれも大事なのですけど、もう少し現状に即した意見と今すぐにでも実行できるような妙案が出れば良いのになと個人的には思います。

まだまだこの件に関しては思うところがありますので、時々書いていこうと思っております。

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