国土交通省が発表した令和2年度の都市鉄道の混雑率調査ですが、コロナによる鉄道利用者の減少が実態として明らかになりました。
その反面、これまでは首都圏・中京・関西の鉄道の混雑ぶりばかりがクローズアップされてきましたが、信越線の新津→新潟や可部線の可部→広島など地方都市の鉄道の混雑ぶりが明らかになるなど、これまでは都市部の鉄道ばかりに投資が集中し地方都市は後回しになってきた実態が浮き彫りに。
詳しくは国土交通省のデータをご覧ください。
いま都市部の鉄道では自動改札が当然のように入っているし、地方都市でもどんどん入れられています。
そして混雑率調査においても自動改札を通過した実数をもとにデータ化されています。
自動改札が導入されていない路線では今でも紙の調査票を手渡しして調査されているのかな。
私が勤務していた会社は関西の私鉄だったので、昭和50年代には広く自動改札が導入されていました。
しかし当時の自動改札はデータを収集するような機能はありません。
有効区間と有効期限のチェック程度で、印字するような機能もありませんでした。
なので自動改札があっても紙の調査票を手渡して調査をしていました。
この調査を流動調査といって、私鉄や国鉄を問わず同じ日に一斉に行われていました。
アルバイトを大量に雇ってすべての駅に数名ずつ配置し、始発から最終までの調査でした。
乗車する人が所持する乗車券の種類によって調査票の色も変えられていて、定期券用・乗車券用・回数券用・その他の4種類だったかな。
調査票と言ってもSuicaやICOCAなどの交通系ICカードより少し大きいくらいの紙で、自動改札を通過する人がどの乗車券類を持っているのかを確認して調査票を渡していくのですが、朝のラッシュ時間帯なんて手渡すのが本当に大変で。
回収は自動改札機に括りつけられた箱に入れてもらうようにしていました。
1時間ごとに調査票を何枚渡して何枚回収したのかを表に記入していくのですが、結構面倒な作業でした。
私はターミナル駅の勤務ではなかったので朝ラッシュ時に手渡すのが大変でしたが、夕方以降は回収がほとんど。
これターミナル駅だと真逆で朝は回収のほうが多くて夕方以降は手渡すほうが多くなるわけですが、いくら週末ではない平日だとしても夜はお酒を飲んだ人が多く乗車するのに、調査票をきちんと手渡せていたのかかなり疑問。
手渡せたとしても、下車駅できちんと箱などに入れてくれていたのかも疑問でした。
だって調査の翌日にはあちこちに調査票が落ちていましたから、流動調査ってどこまで正確に調べられていたのか。。。
でも不思議なことに、自社線の全駅の乗車数と下車数を足すと同じ数字になっているという摩訶不思議な調査結果でした。
そう思うと今は自動改札の通過データを使用しているから、昔と比べるとはるかに正確なデータになっているのでしょう。
その結果が都市部での乗車人員の大幅な減少ですから、それだけ深刻なことなんだろうって思います。