ダイナミックプライシングという言葉を聞いたことがある方もおられると思います。
需要に合わせて料金を変動させるもので、東京ディズニーリゾートの1日券は7900円~9400円、USJの1デイ・スタジオ・パスは8200円~8900円と混雑期と閑散期との間で料金差を設けているように、ダイナミックプライシングが少しずつ浸透してきているように思います。
JR東などでは特急料金に最繁忙期を設けて通常期より+600円とする改定を発表していましたが、グリーン車も同時期に値上げされるようです。
JR東では他のJRよりも安い料金に値下げしたままでしたが、肩を並べる料金に改定するようです。
でも一番やりたいダイナミックプライシング制は朝夕のラッシュ時間帯と閑散時間帯との料金格差でしょう。
JR東や西ではICカードに搭載された定期券で時差通勤すればポイントが付与される制度を取り入れていますが、数年先には定期料金自体に差を設けることを考えるでしょうね。
何せ混雑する時間帯の多くの利用者は定期券利用者なのに対し、閑散時間帯はカード利用による普通運賃で乗車されてる人が多いという、ダイナミックプライシングの真逆の状態になっていますからね。
鉄道業界は新型コロナが治まってきても旅客数はコロナ前には戻らないだろうと予測しているようですから、いかにして収益を上げるのかを真剣に考えてくると思います。
特にJRの定期券の割引率って私鉄に比べてかなり高く、さらに通学定期券は中・高・大学生で割引率を変えるなど私鉄に比べて圧倒的に安くなっています。
定期券の割引率を私鉄程度にまで下げることで定期運賃はかなり値上がりになるでしょう。
いっそうのこと定期券の制度をやめちゃって、1か月当たりの利用回数や利用時間帯に応じた料金をICカードから差し引くなんてこともやるかもしれないですよ。
難しいことはこのくらいにしておいて
回数券はどんどん縮小の方向に向かっていますし、券売機で切符を買って乗車する人もかなり減っていますよね。
定期券もICカード化が進み、乗り越し精算なんて自動改札がやってくれます。
JR各社ではみどりの窓口の大幅縮小も始まっています。
ダイナミックプライシングが本格導入されたら、運賃や料金については機械任せでないと対応できなくなります。
そうなると駅員の仕事って対旅客というものは無くなってしまい、やがて駅員なんてごく一部の大きな駅にだけ存在するようになるのかななんて思います。
実際に地方の路線では一部の大きな駅にしか駅員がおらず、特急列車が停車する駅でも無人駅というケースもあります。
駅員が休憩中にスーパーや市場へ買い出しに行って食事の準備をするなんて、もう昔話の世界になっていますものね。
私が勤務していた駅の中には畑を耕して野菜などを作っていたところもあったし。
家で収穫したスイカを持ってきて、駅員みんなで食べたりもしたし。
鉄道業には人間味が入り込む余地が無くなっていき、ビジネス的視点でのみ運営される時代になっていくようです。