西日本を中心に記録的な大雨が続いています。
山陽本線や中央西線などでは当分の間運休せざるを得ないほどの被害を受けています。
ふだんは雨降りって電車が走らない、電車が止まらないっていうことにイライラしながら運転するわけですが、大雨となると事態はガラッと変わってきます。
私が運転していて本当に怖いと思った大雨の話です。
今回のような前線による大雨ではなく台風による大雨でしたが、運転していてかなり怖かった記憶があります。
小高い丘のような場所で木が茂っており、一見すると山の中の路線に見える箇所なのですが、付近は家が立ち並んでいる場所です。
小高い丘のような場所と線路と並行に走る道路とをつなぐ細い踏切がありました。
自動車の通行も禁止されている踏切です。
先行列車がその踏切周辺で、小石が軌道内へ流れ込んでいるとの無線を入れました。
続行だった私の列車に対して、付近を徐行運転して状態を報告するように指示が入ります。
軽いカーブに差し掛かった先の軌道が白くなって見えません。
15Km/hほどに速度を落としてその場所に接近。
その白くなっているのは、丘のほうから流れた大量の水が踏切内へ流れ込んでいるためでした。
流れ込むというよりも、丘のほうから滝のように噴き出しているような感じです。
車輪や台車にその水が当たると、車体が押されているのが分かります。
止めようかとも思いましたが、車体が大量の雨水で押され続けるほうが危険だと思い、とにかく祈りながら通過しました。
無事に通過しろ!って。
その滝のように噴き出してくる雨水ののすぐ先に小石がたくさん落ちているのを発見しました。
幸いレール上に乗っている石はなく無事に通過。
おそらくですが、当初はレール上に石が乗っかていたと思われますが、噴き出してきた雨水によって飛ばされたんじゃないかなと。
そのことを列車無線を使って運転指令に報告。
私の列車の続行で工務関係の社員が現場へ直行し、踏切につながる丘の一部が雨によって崩れていることを確認。
丘に含まれた水がまず小石などを押し出し、小石を押し出したことでせき止められなくなって水が一気に流れ出した
と後日説明を受けました。
水って見た感じではそれほど深くなくても、押し流す力って相当な威力があります。
滝のように流れ込んでいた水は、工務関係の社員が確認したころには噴水のように少し飛びながら軌道内へ注ぎ込む状態に。
結果的にこのあと運転見合わせとなりました。
小石程度だったから助かったけど、大量の土砂が流れ込んでいたら・・・
今回の大雨の被害を見ていていろいろと思い出しました。