8月15日12時30分ごろJR東海道線の茅ヶ崎駅で、籠原発平塚行き下り快速電車が停止目標を10メートルほど行き過ぎて停車。
大雨のさなかで滑走してしまったのでしょうか。
一般的に編成が長いほうが滑走は起きにくいとされています。
先頭から3~4両目あたりまでは特に雨の影響を受けやすく、ブレーキをかけてもレールと車輪との間の水によってほとんどブレーキが利かないことがあります。
また逆に雨のために電気ブレーキ(発電ブレーキや回生ブレーキ)が一気に車輪の回転を止めてしまい、そこからは空気ブレーキが車輪が回転しないまま動作し続けることで、レール上を滑っていく滑走状態にもなります。
※スキットとかスキッドと呼んでいました
※またスキットによって車輪の一部に傷が入り丸みが失われる状態をスキット痕と呼ぶことも
最近の車両は滑走状態になれば滑走検知装置によって滑走を検知し、フラット防止装置(アンチロックブレーキ)が動作してスキットを防止するようにもなっています。
茅ヶ崎駅で少し行き過ぎた車両にどのような装備が備わっていたのかは知りませんが、私は運転士時代にフラット防止装置が付いた車両を担当したことはありません。
なので動作するとどのようになるのか体感したことがありません。
車と同様だとすると、滑走しそうになるとブレーキが自動的に緩まったり利いたり瞬時に繰り返して、ゴゴゴゴって感じの音がするのですが、電車でも同じような感じなのでしょうか。
今回の茅ヶ崎の一件でNHKの取材に対してJR東日本は
「雨が強いときには手前からブレーキをかけたり強さを調整したりするなど改めて指導したい」
なんて言っているけど、実際のところ上司にに指導されたからといって雨天時の運転が上手になるわけもなく、結局はどれだけ経験してどれだけ頭を使って運転して、習得できるかにかかっているのですが。
雨が降れば空転して走りにくくなるし、ブレーキも利きが悪くなる。
今は車両に様々な装置が装備されていて、あまり深く考えなくてもそれなり運転できるようになっていると思います。
あまりにも車両任せの運転ばかりしていたら、装置でカバーできない状況になった時にミスっちゃうと思うのです。
例えば晴れの日に、通常はブレーキ5ノッチで止めるところを4とか3ノッチで止める練習をしておきます。
通常の制動距離よりかなり長くなりますが、それを習得しておけば雨天時に応用が利くわけです。
力行だって常にフルノッチで出発するところを、低いノッチで運転するなど晴天時に雨天時を想定して乗務します。
コツが掴めればほとんど遅れずに運転できるようになってくるものです。
今は運転しやすい環境が整っているし、各装置を最大限に使用して運転するのが当然だと思います。
でもたまにで良いから、晴天の閑散時に少しだけ雨天対策の運転をしておけば、いざという時に役に立つと思うのだけど。。。