駅の改札で勤務しているといろいろな人の主義主張を耳にします。
よくあったのが期限が切れた定期券や回数券で電車に乗せろと難癖をつけてくる人です。
「気づいたら切れてたんや、今日だけまけてぇな」
「そんなもん3カ月も前に買うたんやで、期限切れに気付かなくてもしゃーないやろ」
「ケチなこと言わんと1日や2日でガタガタ言うもんやないで」
みたいなことを言って期限が切れた定期券や回数券で乗ろうとする人が少なからずいました。
さすがは大阪だなって心底思いました。
こんな人って関東でもいるのかな?
関西でも○急電車あたりだとこんな客はいないのかも・・・
もっと難儀だったのが、株主に優待として渡される乗車証の期限が切れているケースです。
それもある程度大口の株主で、ふつうの切符タイプの優待券ではなく定期券タイプの優待乗車証を持っている人。
大口の株主でお年を召した方々ってあまり株を売買しなような気がします。
だから常に優待乗車証を持っていて、電車にはタダで乗れて当然って意識があるのでしょうね。
そんな感覚で自動改札に乗車証を入れると扉が閉まって、すんごい剣幕でこちらを睨んでくるのです。
改札で座っている私は自動改札の操作盤の「期限切れ」が点灯していることを確認して
「すいません、期限が切れているので乗車できません」
と声を掛けます、当然ですよね。
ほとんどの人は
「古いほうの乗車証を入れてたわ」
と言って期限が切れた乗車証を手渡してきたりするのですが、中には
「そうか」
といって、早く自動改札の扉を開けろと催促するような仕草を示します。
駅員としては
「いったん下がってください」
としか言いようがありません。
この時点で駅員の側にはふつうの定期券を入れたのか優待乗車証を入れたのか、はたまた社員用乗車証を入れたのかなんてわかりません。
ですが
「私は株主だぞ!」
って怒鳴ってきたりするんです。
こちらにすれば、それがどうかしましたか?って感じですけどね。
株主かもしれませんが、持っている乗車証の期限が切れていれば当然乗車できません。
こんなこと当たり前です。
だってひょっとすると、株を売却して株主ではなくなったから新しい優待乗車証を持っていないのかもしれませんから。
「私は株主だ!家に乗車証を置いてきただけだから早く乗せなさい!」
こんなことを平気で言ってのけるんですよ。
“お金を持っていて株も持っているのかもしれないけど、常識やルールが全く通用しないお年寄り”
そうとしか思えないですからねぇ。
「有効な乗車証が無ければ乗車はできません」
と当たり前のことを言うときまって
「お前みたいな若造が私になに偉そうなことを言っているんだ!」
と返されるんですよ。
まぁ70か80歳くらいのじいさんにしてみれば、まだ20歳そこそこの私みたいな若い駅員に注意されたら引っ込みがつかないのでしょうけど。
私も引くわけにはいきませんから
「規則は規則です!」
とやり返していましたけどね。
その後だいたいは名札の名前をガン見されて、駅から離れていきます。
今なら言葉遣いがなっていないなんて苦情で上司から指導されるというオチがつくのですが、昔は駅長あたりが株主だろうが一歩も引かずに応戦していたから、この程度のことで怒られるようことも無かったです。