布団が吹っ飛んで遅延した京急線

昔からよく言われる古典的ギャグの一つに

「布団が吹っ飛んだ(ふとんがふっとんだ)」

というものがあります。

「ふとん」と「ふっとんだ」とを掛けてあるダジャレですね。

1月28日の夕方、京浜急行生麦駅~京急新子安駅間の軌道上に布団が飛来していることが確認され、その撤去のために一部の列車で遅れが生じたという話題がネット上にありました。

軌道内に運行を支障するものが発見されれば撤去しなくちゃいけませんし、撤去のためには列車を停止させて係員が軌道内へ入る必要があります。

大型の物体が軌道内にあって運転士や車掌だけでは撤去が困難ならば、駅をはじめ工務部門などから応援要員を派遣してもらって撤去となるので相当な時間、列車は運転見合わせとなります。

ただ布団ですので支障個所の直前で列車を止めて運転士が撤去して終了ということになるので、まぁ10分前後の遅れが一部の列車で出る程度で遅れは収まるでしょう。

以前にもこのブログでサラッと書いたことがあるのですが、私が駅勤務をしていた昭和の時代に駅長(管区駅長)からこういう話を聞いたことがあります。

“車両などが何らかの理由で誰も乗っていない状態で転がっていった場合、それを止めるには線路上に布団を敷くのだ。”

駅停車中などにブレーキ量が少ないために列車が動くことを「転動」

本来停止すべき場所を行きすぎることを「過走」(いわゆるオーバーランです)

車両が車庫など構内の本来停止すべき場所で止まらず本線上へ出ることを「逸走」

といいます。

駅構内で留置するのだがブレーキのかけ忘れやブレーキ量が足りなかったり、ハンスコ(手歯止め)の設置を忘れるなどして車両が転がっていった場合を駅長は想定していたようなので、分類上は「逸走」になるのかな。

この逸走した車両を止めるのには布団が有効だというのです。

車輪に布団が絡まることで転がらなくなって停止させられるということでしょう。

でも車輪に布団が絡まることでレールとは接触しない状態になるから、おそらく脱線しちゃうのでしょうね。

誰も乗っていない鉄道車両がコロコロと転がっていく恐怖を考えれば、脱線させてでも停止させるほうが良いということなのでしょう。

そういうことから、軌道上に布団が落下していることを確認すれば直ちに列車を緊急停止させて、防護無線があれば発砲し、無ければ緊急で運転指令に報告しなければなりません。

私が勤めていた会社では、本当に急を要する無線での報告の場合には

「緊急!緊急!」

とコールしてから内容を報告するとなっていました。

でも緊急って言っている無線は聞いたことがありませんが。

「布団が吹っ飛んだ」と笑って言えるのでまだマシなのですが下手すれば

「布団で電車が吹っ飛んだ」

なんてシャレにならない事態になっていたかもしれなかったのです。