ついにJR東日本も9月30日で普通回数乗車券(回数券)の発売を終了するそうです。
全国的に回数券の廃止が進行し、代わりに交通系ICカード(suicaやICOCA、PASMOなど)利用でポイントを付与する方向へと変わってきています。
現在の利用人数を考えれば、回数券の廃止もやむなしといったところでしょうか。
でも冷静に考えれば、回数券って購入後3か月間有効なのに対して、ICカード利用によるポイントの付与って1か月単位で計算されますよね。
3か月で11回利用すればよかったものが、多くのICカードでは1か月で11回以上の利用でポイント付与と条件が厳しくなっているから、実は回数券の方がお得で利用しやすいのですけどね。
会社側にすれば、料金を割り引いて発売している回数券よりも、ICカードでポイント付与の方が収入面で優れるので、回数券の廃止の流れは今後も続いていくでしょうね。
私が駅勤務の頃ですから、もう30数年以上昔のことです。
月に1~2回、駅長所在駅の改札口へ大量の回数券を購入しにやってくる人がいました。
初乗りと2区くらいの回数券を数万円分購入していくので、なんでこんなにもったいないことをするのだろうと、不思議に思っていたのです。
だって回数券より定期券の方が得ですからね。
よくよく聞いているとその人は開業医の方で、患者さんの中で電車を利用して通院している人に対して回数券を配っているというのです。
私が勤務していた会社の回数券は表紙と回数券が連なっているタイプで、ミシン目の所で切り離して使うのですが、改札で駅員に日付入り駅名印を押してもらうまでは切り離し無効という規則がありました。
ただ現場での取り扱いでは、切り離したものでも問題なく使えていましたけどね。
今ならば券売機か窓口で11枚に分かれた回数券が発売されているので、切り離し無効なんていう規則もなくなっていますが。
その方は回数券の販売が券売機のみになって以降も、同じように大量に回数券を購入していたようです。
ただ昔の券売機って1000円札が使える物も数が少なく大半が硬貨専用だったので、購入前に改札で10000円札を1000円札や硬貨に両替して購入していたと聞きました。
この開業医の方の発想を利用したのが、金券ショップや駅近くの自動販売機で回数券をバラ売りしている商売ですね。
本来ならば普通乗車券で購入していたはずの旅客が、回数券のバラ売りによって鉄道会社の収益に影響が出るなんて報道もあったような記憶が。
回数券の発売がこれだけ各社で取りやめになっているわけですから、金券ショップやバラ売りの自動販売機も姿を消していくのかもしれないですね。
もしも昔にいた開業医が今も大量に回数券を購入していたとしたら、回数券の廃止を嘆くのかな。