コロナ禍以前は新線開業とか立体交差化完成など設備的要因によるダイヤ改正を除いて、ここ30年以上は春にダイヤ改正を行っていました。
その昔は国鉄では10月に改正なんてこともありましたが、関西の私鉄ではほぼ春にダイヤ改正を行っていました。
先日一斉に発表された阪急・阪神・近鉄・山陽・大阪メトロ・能勢電鉄のダイヤ改正。
中でも阪急のダイヤ改正の規模がかなり大きいなと感じました。
ダイヤ改正の中身に興味がある方は各社のHPをご覧ください。
ただ今回一斉にダイヤ改正を行う各社は、相互乗り入れを行っている関係上ダイヤの修正と、ついでに最終電車の繰り上げとか行先変更を行うといった感じですね、阪急を除いては。
言ってみれば阪急がダイヤ改正を行うから乗り入れを行っている関係上他社も追随するしかないので、ついでに修正しようという感じですね。
今まで阪急って大規模なダイヤ改正を行う際には、京都・神戸・宝塚の各路線でバラバラに行っていたのが今回は珍しく一斉に行います。
それが経営上やむなくなのか戦略的な考えからなのかは知りませんが、他の私鉄にいた私から見ると切羽詰まっているように見えなくもないんですよね。
以前ダイヤ改正で列車本数が削減されると運転士や車掌も削減される?という記事を書いているのですが、おそらくすぐには乗務員の数は減らされはしないでしょうけど、仕業数の減少と乗務量の増加は避けられないのだろうと思います。
しばらくは乗務員が余った状態になるだろうけど、駅への異動のほか他部署への異動や関連会社への出向、そして新規乗務員の採用抑制によって1~2年もすれば余剰感は無くなります(経験上の話)
JR東日本のように鉄道事業自体が莫大な会社だから4000人も削減という話題で記事にもなるのですが、結局今回の私鉄のダイヤ改正も人数はそれほど多くないにしても同じような道をたどるわけです。
所有車両数の削減も今回の関西私鉄のダイヤ改正では阪急だけが突出したものになるようですね。
朝ラッシュ時間帯の車両増結を辞めることで、増結車両の分だけ経費をぐっと抑えることができます。
増結に使っていた車両を支線に転用して支線に残っている古い車両を廃車にすれば、維持費は相当軽くなりますからね。
古い車両は手間もかかるし経費も掛かりますから。
これによって車両のメンテナンスを行う人員の削減も行うかもしれません。
私がいた会社では、古い車両が減って新しい車両が増えるたびに車両課員の数がどんどん減っていきましたから。
車両1両当たりの整備や補修費に管理代(全般検査や重要部検査などを含めたメンテナンス費)の金額は、1年平均で600~1000万円ほどかかると言われています。
今ならばもっとかかっているのかな?
それとも極力経費を削ってこの金額でやっているのかな?
もちろん古い車両は部品交換などの費用がかさみますからもっと高くなるでしょうし、新しい車両はもう少しやすくなります。
ちなみに新幹線の1両当たりの年間費用はこの倍ほどかかると言われています。
阪急の増結用の車両は2両?4両?かは知りませんが、2両編成を4編成ほど減らせば、年間に7000万円から8000万円ほどの経費が浮く計算になります。
この費用には車両をメンテナンスする人の人件費も入っていますから、編成を減らせばただちに1両当たり1000万円が浮くというものではありませんが、同時に車両課の人員を少し減らしたり勤務シフトを変更することで実際にこれくらいの経費が浮いてくるのです。
また日中の快速急行の本数を減らす阪神や近鉄の場合は所有車両数の変更はないと思いますが、乗務員の運用数の削減が当然行われます。
今の時代に1日当たりの乗務量を減らすだけならば非常に優良な企業と言えるのですが、残念ながらそうはいかないと思います。
また各社ともに最終電車の繰り上げが行われますから、それに伴って仕業数の変更・減少も当然考えられるわけで、働く乗務員たちにとっても相当大きな規模のダイヤ改正になるでしょう。
少しでも乗務環境が良くなればいいけど、無理かもなあ・・・
鉄道開業から150年。
都市部はまだ大丈夫そうだけど、地方路線はかなり厳しい状態に落ち込んでいます。
50年前にすでに地方路線では衰退がはっきりと見れたのに、大胆に手を入れることなくほぼ放置し続けてきたために存続自体が難しい状態になった。
今から50年先には今とは全く違う鉄道の姿が見られるのか。
はたまた都市部でも鉄道は衰退しきって、ただの邪魔者になっているのか。
今が正念場なのかもしれない。
そんな今日10月14日は鉄道の日です。