便乗での失敗 昔からよくあるんです 

ちょっと前に書いた便乗のある仕業の話題。
その記事の最後に
“たまに寝坊などでA駅へ現れない乗務員がいて、仕方がなく助役などが乗務することもありましたけどね。”
と書いたのですが、寝坊ではなく向かうべき駅を間違えたというミスが起こったそうです。

仕業表(行路表)にある便乗とは
乗務員の毎日の仕事は仕業表(行路表)によって決められています。 その中には“便乗”という仕業も少なからず含まれています。 乗務区であったり休憩する駅で交代する場合には歩いてホームへ向かったり、逆にホームから乗務区や休憩所に歩いて向かいま...

2020年7月1日にJR東日本・横浜線において車掌が便乗で向かうべき駅を間違えてしまい(橋本駅から小机駅に向かうところを東神奈川駅)、代わりの車掌が手配できる駅(橋本駅)までを回送扱いで運転したとか。
まったく関東の鉄道なんてわからないのでちょっと調べてみると、橋本駅には乗務区(相模原運輸区)があって、東神奈川駅始発の電車が多数を占めるなか小机駅を始発とする電車はごくわずか。
東神奈川駅への便乗は多数あるけど小机駅への便乗は少ないから勘違いしたのでしょうね。

 

 

便乗においてはこの手のミスはつきものでして、時間になっても乗務員が現れないという事案は、私が所属していた乗務区でも年に数件は必ず発生していました。
ただ私が勤務していた会社では、駅の助役が車掌や運転士の代わりに乗務することが珍しくなかったです。
電車の運転に関しては動力車操縦免許を持つ者でないと、いくら助役以上の監督・管理職であっても運転することはできませんし、車掌業務に関しては特に免許などはありませんが、車掌として乗務を経験した者でなければやはり乗務をさせることはありませんでした。

でも古手の首席助役あたりになると、いくら動力車操縦免許を持っているとはいってもかなり長い期間ハンドルを握ってはいません。

「俺はA弁(自動ブレーキでA動作弁を搭載した車両)しか運転したことがないのに、いきなりワンハンドルを運転って無茶やろ」

実際には電磁直通ブレーキの車両の運転経験はあるものの、大半の車両が自動ブレーキだった頃に運転士だったために、こんな風にぼやく人もいました。

 

 

ある運転士が、自宅から直接便乗の駅へ向かうと乗務区に電話で報告したものの、電話を切ってからベッドに潜り込んで二度寝しました。
駅では担当の運転士が現れないために、仕方がなく首席助役が代わりに運転することに。
この首席助役も電磁直通ブレーキの車両までしか運転経験がないのに、乗務しなければいけない車両は全電気指令式(HRD)だった。
それでも何とか運転して代わりの運転士の手配ができた駅までやってきました。

運転してきた首席助役が交代の運転士に話しかけようとしたところ

「〇〇首席、なぜあなたが電車を運転してきたんだ?」

交代の運転士の横に立っていたのは、この電車に添乗して本社へ向かおうとしていた鉄道部門のトップ(取締役)。
別に違法なことをしているわけではないけど、駅勤務の首席助役がなぜ運転していたのかを疑問に思ったのでした。
しどろもどろになりながら適当に答えた首席助役は

「運転したことがない車両を運転するよりも、取締役に瞬時に言い訳をするほうが難しかったぞ」

と後日いっしょに飲みに行った時に話していました。

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