閉塞信号機がR(赤)なのにその信号機を超えて運転する無閉塞運転
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閉塞信号機がR(赤)なのにその信号機を超えて運転する無閉塞運転

運転士

無閉塞運転

運転士をしていると一度や二度は経験するのが、閉塞信号機がR(赤)を現示しているときに、その現示個所を超えて運転する無閉塞運転。

鉄道は閉塞区間と呼ばれる一定の区切りを設けています。

一般の鉄道の場合は信号機から次の信号機までを一つの区切り(閉塞区間)とし、一つの区間に入れる(走行できる)列車は1本だけ。

これを守るためには赤信号を超えることは許されません。

ただし信号機の故障だったり軌道回路の故障など何らかの原因で、一つの区切りの中に列車はいないにもかかわらず閉塞信号機がR(赤)のまま変わらないことがあります。

この場合に当該閉塞信号機の外方で1分間停車したのちに、15キロ以下で運転していくことができます。

これを無閉塞運転と呼びます。

 

 

とにかく前の列車に少しでも接近

私が運転士になった当時は、運転士の判断でR(赤)現示の閉塞信号機を超えていくことができましたが、この運転方法を行うと不注意による追突事故が当然発生しますから、運転指令に許可を受けなければR現示の閉塞信号機を超えることはできなくなりました。

運転指令の許可や指示による無閉塞運転を閉塞指示運転と呼ぶ会社もあるそうですね。

私がいた会社では閉塞指示運転という言葉もなかったし、運転指令の許可が必要になってからは無閉塞運転という言葉もほとんど聞かれなくなりました。

私が車掌だったころはラッシュ時間帯で遅れが出ているときなんて、後ろを見ると後続の列車がすぐ近くまで接近していることが多々ありました。

遅れているからちょっとでも担当列車を進めておこうと、R現示の閉塞信号機を超えてくるわけです。

ひどい運転士なんて、かなり近い位置に止めて前照灯でパッシングしてくる人もいましたからね。

早く出発しろ!という怒気を込めて。

 

 

無閉塞運転は指令の許可が必要に

私が運転士になったころ(1988年)は、遅れておればできるだけ無閉塞運転で前の列車に接近してくれという〝指導〟がありましたが、今思うとメチャクチャ怖いことを指導していたなと思いますよ。

R現示を超える時にはATSを切ったり開放はしませんが、確認扱いで赤信号であっても15キロ以下でどんどん進行することができます。

閉塞信号機の赤信号を超えるということは、その閉塞区間に先行の列車が存在しているわけだし、15キロ以下ならばどんどん接近することができるし、目の前に列車が停車していてもATSによるバックアップはないので自動ではブレーキはかかりません。

運転士が目で確認して、自分でブレーキ操作しないと追突するのですから。

指導はされていましたが、私が運転士になったころには遅れているからという理由で、閉塞信号機のR現示を超えて進行する運転士はかなり少なかったし、私も遅れているという理由では無閉塞運転を行うことはしませんでした。

車掌の時は後ろを振り返ると数mまで後続の列車が接近していて、ニタニタ笑う運転士の顔をはっきりと確認できましたが、そういった運転士の大半が私が運転士になるころには助役になったり、別の部署へ異動したりしましたから。

もちろん信号機の故障等で運転指令から指示を受けての無閉塞運転は何度も行いました。

でも正直言って赤信号を超えての運転って気持ち悪かったから、とりあえずは立って運転していました。

いつもとは違う運転を行っているんだと、自分自身に分からせるためにね。

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