夜間や深夜時間帯に勤務したり会社に泊まる必要のある勤務だと、おそらくどこの職場にでもあると思う怖い話。
私がいた鉄道会社にももちろんありましたし、同業他社に勤める人たちからもいろいろと聞きました。
中にはウソっぽい話もありましたが、聞いた話し通りのことを経験したこともありますし…
仮眠室・仮泊所
駅勤務をしていると必ず聞くのが、
「○○駅の仮眠室って出るらしいぞ」
という話。
駅務室の2階の仮眠室で寝ていると、仮眠室へ通ずる階段を誰かが上ってくる足音が聞こえるとか。
大人数が泊まっていた時代の名残の広い仮眠室で寝ていると、数人の子供が走り回るとか。
駅で列車に飛び込んだ女性が、仮眠室に入ってきて隅で座って泣き始めるとか。
とにかくいろいろな話を聞きました。
ただ駅でのこの手の話は徐々に内容が変わっていったり、違う駅でまったく同じことが起きることになっていたりと、正直なところ眉唾ものかなと思っていました。
でも夜中に階段を上ってくる足音が聞こえると言われた駅で、朝起きてその階段を下っていくと、誰かが歩いたのか階段から駅務室、そして出口に向かってずっと足跡のような形に濡れた痕跡が。
出入り口をはじめ何ヶ所にもセンサーが付いていて、ドアを開けると非常ベルが鳴るし、ドアを見てもカギはかかったままだったし。
乗務区内の仮泊所でもそういった話はよくありました。
昔は2段ベッドがずらっと並ぶ大部屋が主体だったのですが(個室なんて良いものはありませんでした)
「〇号室の〇番のベッドはやめておくほうが良い」
夜中に白装束のおばあさんがベッドの隅にちょこんと座り、寝ているこちらの顔をじっと見てくるとか、天井に白装束のおばあさんが張り付いていて、目が合うと降りてきて首を絞められるとか。
そのベッドで寝ていて夜中に奇声を上げて走り出した乗務員もいたし、そのベッドで仮眠を取ると翌朝に人身事故に遭遇するなんて話もありました。
走行中の列車
ある駅間にある、人だけが渡れる跨線橋(陸橋)
0時を過ぎた頃にそこを通過すると、跨線橋から人が落ちてくるという話がありました。
頭のほうから落ちてくる人がこちらを睨みながら、走行する列車のすぐ前に落ちてくるというのです。
これは多くの運転士が経験しているようで、接触すると思って非常制動を入れた人もいますし、実際に衝撃を感じて列車を止めて降りて周囲を探し回ったけど何も無かったということもありましたし、ガラスが突如粉々に割れたなんてこともありました。
私はこの場所を通過した時には、離合列車もないのに突然乗務員室の車掌台側の側開き戸が開いたり、客室との仕切り扉に何かがぶつかって大きな音を立て、確認のために横に乗っていた車掌が客室を見たけど何もなかったとか(そもそも回送だから運転士と車掌以外は乗っていない)、そういうことは数回経験しています。
これらはすべてある特定の形式だけで起こっていて、別の形式の車両だと新しくても古くても起きないのです。
ほかには、ある区間を走っていると犬走りに正座して座っている人がよくいるとか、前照灯が照らす範囲のほんの少し先を人が走っていたとか。
よく夜中に撮影者がいる(バルブ撮影かな?)ある駅のホーム端は、撮影者がいない時には女性と小さな子供が手を繋いで立っていて、その子供が運転士に手を振ってくるという話もありました。
車庫
これは兄や友人が所属する路線とは別の路線であった出来事を聞いた話です。
深夜の入庫時や早朝の出庫時に、特定の番線に留置している車両の運転台に制服姿の人が座っているというのです。
時には今日は誰もいないみたいだなと言いながら、出庫作業のためにその番線に留置されている車両に乗り込み、車内を通って反対側の運転台へ移動する時に真っ暗な中間運転台(運転席のある車両同士を連結)に座っている姿を目撃して、運転士と車掌が悲鳴を上げることも少なくなかったとか。
※昔の車両はSIVではなくMGを積んでいたから、パンタを上げてもすぐに車内灯はつかなかった
昔、乗務員同士のトラブルがあり(お金や女性)、某公園に呼び出されて殺害された。
池に放り込まれたという話を聞いたこともあります。
その時の被害者が夜な夜な現れては運転台に制服姿で座っているらしい。
電車が好きで、電車を運転することも好きな運転士だったそうで、まだまだ未練が残っているから車庫に現れるのかもしれません。