都市部を中心に地上を走っている路線を地下化したり高架化したりして、開かずの踏切の解消や線路によって地域が分断している状態を解消しようとする動きが活発になっています。
開かずの踏切になっていないにしても、踏切って列車と接触する危険性がある以上少しでも減らそうと努力はしています。
で、こういった地下化や高架化って大半が自治体などがお金を出して進められる工事なのです。
市区町村や都道府県が主体となるわけですが、ここぞとばかりに鉄道会社がいろいろと注文を付けるわけです。
よく乗務区長が言っていたのですが
「この計画よりあと少し高架区間を伸ばしてくれたら、あと1つ踏切が無くなるのに」
鉄道会社側が注文したとしても自治体側はあくまで税金によって行う工事のため、例えば市道○○線の開通のためとか、駅前再開発に伴う高架化とか駅橋上化といった名目がないとダメなんですよね。
高架工事を実施するとなると、既存の線路を仮設の線路に移し、既存の線路を撤去して高架化というのが一般的です。
この仮設の線路を運転する際には徐行区間が出現するわけですが、工事の進捗状況によってどんどん徐行区間が変わっていきます。
この徐行区間が変わるときって、ほんとに口やかましく伝えられるんですよ。
「今日から徐行区間が変わっています」ってね。
乗務手帳にも記入して、それを出勤管理する助役がチェックしてみたいな感じですね。
運転士としては
“今日からは400mも手前から徐行が始まるから、ブレーキをかけるポイントは・・・”
みたいに考えなくちゃいけないし。
また同じ徐行区間であっても、当初は45km/h以下の設定だったけど1週間後には60km/h以下になるみたいな、途中で制限速度が変わることも珍しくありません。
線路を引き直したばかりって路盤が軟弱ですから、しっかりと固まるまではやや低めの制限を設定することが多いためです。
車両の重みで路盤を固めていくわけですね。
仮設の線路の横では当然工事を行っているわけです。
監視員は鉄道の規則についても習ってから配置されます。
私がいた会社では監視員も教習所にきてお勉強していましたよ。
でも一週間ほど話を聞いたり、緊急時にはこうやって電車を止めるんですよって教わるのですが、たいていの人は・・・頼りないです。
っていうか、監視員が一番危ない行為をしていて列車と接触しそうになったりしますからね。
何年間かは工事にかかりますが、踏切がなくなれば運転士の精神的な負担も軽くなるので、相対的には高架化ってやっぱり進めてもらいたいです。