JRでは渡り線を整備しているけど

このような記事が出ていました。

1本の短い線路ができることで、その路線の利便性を飛躍的に向上させることがある。今春、JR湖西線の和邇(わに)駅南側に新たに敷かれた線路もそれだ。下り線から上り線…

湖西線は高架の区間が大半なことに加えて、強烈な風が頻繁に吹き下ろす場所でもあります。

他の路線では問題なく走行できる風だとしても、地形的な問題から湖西線は運転休止されることが多いです。

特に和邇駅以北は強風が吹き付ける箇所が多かったそうですが、折り返しの設備の関係から2駅京都寄りの堅田駅まで運転というパターンが多かったそうです。

そこで和邇駅に渡り線を設けることで堅田駅で止めていた電車を和邇駅まで運転できるように整備し、8月には実際に京都~和邇間での運転を実施したそうです。

渡り線とは簡単にいうと、上り線から下り線またはその逆に線路を渡るためのポイントです。

JRなどでは非常時にもすぐ対応できるようにと、渡り線とともに場内信号機や出発信号機を設けます。

この場合の場内とか出発信号機は、渡り線を渡って別の線へ入れる現示を出すのか、または渡り線を渡らずにまっすぐに進む指示を現示するのかを任意で現示できる信号機です。

私が勤務していた会社でも通常は使用しないものの、非常時に使用する可能性が高い駅には渡り線を設けていましたが、先ほどのJRとはちょっと考え方が違っていました。

JRの場合は場内・出発信号機を設けることで停留場から停車場へと変更しているはずです。

停留場とは場内・出発信号機が無い駅で、停車場とは場内・出発信号機がある駅のことを指します。

場内・出発信号機と渡り線(ポイント)は連動していて、駅の信号所や運転指令所からの遠隔操作で、ポイントを操作すれば信号機もそれに合わせて自動的に現示します。

ところが私が勤務していた会社では、渡り線は設けるものの場内・出発信号機は設けない所がありました。

“非常渡り”の名前で呼ばれていて渡り線の切り替えは手動でしたし、渡り線を渡るときには係員による手信号(日中は旗、夜間は灯火)が用いられることになっていました。

信号設備は連動させていませんでしたが、それでも渡り線を設ければ定期的な点検が当然必要です。

数十年に一回使うかどうかというものに時間と労力を費やすのはどうかという考えを会社側が出してきて、多くの非常渡りは廃止されていきました。

一応表向きの廃止理由は、ポイントを通過する際には騒音と振動がどうしても発生する。

ほぼ使わない渡り線があることで近隣住民には音と振動でずっと迷惑をかけているから。

鉄道会社が最も多く利用する言い訳ですね、近隣住民のご迷惑になるためって。

聞いた話なので本当かどうかは分かりませんが、ある会社でも非常渡りを順次廃止していた。

そこに阪神淡路大震災が発生。

路盤が崩壊するなど大きな被害が出で全線での運転は無理だったが、部分部分での運転を行うことに。

この部分運転の際に撤去した非常渡りの箇所に渡り線を再び設けて運転した。

全線での運転再開時には再び渡り線を撤去した。

私が勤務していた会社と同様に、この会社も目先の利益しか頭にないんだな・・・